AWSは何がすごい?メリットやできることを紹介
AWSとは、クラウドベースでシステムを開発したり、Webサイトを運用・監視したりすることができるサービスです。
本記事では、AWS(Amazon Web Services)を利用するメリットや、活用事例をご紹介します。
そのほか、AWSを利用するときの注意点もお伝えするので、メリットだけではなくデメリットも理解したうえで利用するか判断すると良いでしょう。
目次
AWSとは?
AWS(Amazon Web Services)は、Amazonが提供するクラウドコンピューティングプラットフォームです。
インターネットを通じてサーバー、ストレージ、データベース、ネットワーキング、ソフトウェアなどのコンピューティングリソースを提供しています。
ハードウェアの設置や管理が不要で、オンデマンドでリソースを拡張・縮小できるため、効率的かつ柔軟なシステム運用が可能です。
多種多様なサービスを提供しており、Webサイトのホスティングからビジネスアプリケーションの運用、ビッグデータの分析、AIの活用まで幅広く対応しています。
AWSは何がすごい?メリットを紹介
ここでは、AWSの何がすごいのか、メリットを8つご紹介します。
初期費用をかけずに構築することも可能
AWSは従来のオンプレミスシステムと違い、サーバーやインフラストラクチャを購入・設置する必要がなく、無料枠内であれば、初期費用がかからず構築が可能です。
ビジネスの成長や需要の変化に応じて、必要なリソースを追加・削減できるので、必要以上のリソースに対する投資を避けられるでしょう。
またインフラの設置や設定にかかる時間もかからないので、プロジェクトを迅速に開始できます。
グローバル展開ができる
AWSは、世界中に多数のリージョンとアベイラビリティゾーンを持っており、各地域の顧客に近い場所でサービスを提供することができます。そのため、世界各地でビジネスやサービスを迅速かつ容易に展開しやすいです。
サービスやアプリケーションをユーザーに近いデータセンターでホストすることで、応答時間を短縮し、ユーザーエクスペリエンスを向上させることができます。
また、異なる国や地域の法律や規制に準拠しながらサービスを提供することが可能です。複数のリージョンにデータを分散することで、災害や障害が発生した場合のリスクを軽減し、高い可用性を確保できるでしょう。
運用コストを最適化できる
AWSの柔軟な料金体系とスケーラブルなリソース管理により、企業が自身の使用状況に応じてコストを効率的に管理できます。
AWSでは、インフラを事前に購入・設置する代わりに、必要なリソースをオンデマンドで利用し、使用した分のみ料金を支払います。これにより、未使用リソースに対するコストが発生しません。
トラフィックや処理負荷に応じてリソースを自動的にスケーリングできるため、ピーク時にはリソースを増やし、需要が低い時は減らすことでコストを抑えることが可能です。
また、長期間安定してリソースを使用する場合の予約インスタンスや、一時的な余剰コンピューティング容量を低価格で利用できるスポットインスタンスなど、さまざまな料金オプションを活用することで、さらなるコスト削減が実現できるでしょう。
運用負荷を軽減する
AWSはクラウドベースのサービスを通じて、インフラストラクチャの管理や保守に関連する作業負担を大幅に減らすことができます。具体的には、ハードウェアの故障対応やアップグレードなどの作業を行う必要がなくなります。
AWSでは多くの運用プロセスを自動化することが可能で、統合管理ツールを利用して簡単にシステムを監視、管理できるでしょう。
ビジネスの成長や需要の変動に応じて、リソースを柔軟にスケールアップまたはダウンできます。運用上の負荷とコストを最適な状態に保つことが可能です。
セキュリティが高い
AWSが提供するクラウドサービスは、高いセキュリティ基準とプロトコルに基づいて運用されています。
AWSはデータセンターのセキュリティ、ネットワークセキュリティ、システムセキュリティなど、多層にわたる包括的なセキュリティ対策を講じています。インフラストラクチャを24時間365日監視し、セキュリティの脅威に対する自動化された対応を行っています。
データは転送中および保存中に暗号化され、不正アクセスやデータ漏洩のリスクの低減が可能です。多数の国際的なセキュリティ基準とコンプライアンス要件を満たしており、特定の業界や規制に適応する認証を取得しています。
日本語でのサポートに対応している
AWSの技術サポートチームは日本語でのサポートを提供し、技術的な問題や運用に関する疑問に対応します。日本語のドキュメント、ガイド、チュートリアルを豊富に提供しており、日本人でも十分に理解しながらの利用が可能です。
日本国内のAWSユーザー同士で情報交換や相互支援が行えるコミュニティやフォーラムが存在し、利用者間のコミュニケーションが促進されるでしょう。日本語でのトレーニングプログラムやセミナーを定期的に開催し、最新のクラウド技術やベストプラクティスを学ぶ機会を提供しています。
柔軟にサービス内容を拡大・縮小できる
AWSは、ビジネスのニーズや要求に応じて容易にリソースを調整できます。たとえば、トラフィックが増加した場合、追加のコンピューティングリソースやストレージの調整が可能です。
リソースの使用量に基づいて支払いが行われるため、無駄なコストを削減し、必要なサービスに対してのみ費用を支払うことができます。
サービスのラインナップが豊富である
AWSが提供するサービスは、200を超えるほど種類が豊富です。幅広い種類のクラウドサービスやツールから、自社に合ったものを選ぶことができます。
コンピューティングやストレージ、データベースネットワーキングなどのサービスがあります。なかには、開発者ツールや機械学習などのサービスもあるので、新たにシステム開発を考えている企業も活用できるでしょう。
AWSで何ができる?
ここでは、AWSでできることを6つご紹介します。
サーバー環境の構築・運用
AWSでは、クラウド上に仮想サーバーを設置し、管理・運用することができます。AWSのEC2(Elastic Compute Cloud)サービスを使用すれば、必要なスペックやOSを選択し、仮想サーバーインスタンスを数分で立ち上げられます。
Elastic Load Balancing(ELB)を使用すると、複数のサーバー間でトラフィックを均等に分散が可能です。その結果、システムの可用性と耐障害性が向上するでしょう。
また、AWS Auto Scalingを用いてサーバーの数を自動的に調整したり、Amazon S3やAmazon EBSのスナップショット機能を活用してデータのバックアップなどを行うことも可能です。
データ保存やコンテンツ配信
AWSのクラウドストレージサービスとコンテンツ配信ネットワーク(CDN)を利用して、データを安全に保存し、効率的にユーザーに配信することができます。
データ保存では、任意の量のデータを保存できるAmazon S3(Simple Storage Service)を活用できます。高い耐久性と拡張性を備えており、バックアップ、アーカイブ、ビッグデータ分析などに広く利用されています。
また、Amazon EBS(Elastic Block Store)は、EC2インスタンスに接続するためのブロックレベルのストレージサービスです。永続的なストレージニーズに対応し、データベースやアプリケーションサーバーのストレージとして活用できます。
コンテンツ配信では、Webサイトやアプリケーションのコンテンツをエンドユーザーに高速で配信できるAmazon CloudFrontが便利です。世界中に分散されたエッジロケーションを利用し、ユーザーに近い場所からコンテンツを提供することで、レイテンシを大幅に削減できるでしょう。
データベース
AWSをデータベースとして活用することで、クラウド上でデータベースを構築、管理、運用が可能です。
データベースとして活用するときに便利なサービスは、以下のとおりです。
- Amazon RDS(Relational Database Service)
- Amazon DynamoDB
- Amazon Aurora
- Amazon Redshift
- Amazon Elasticache
Amazon RDS(Relational Database Service)は、MySQL、PostgreSQL、MariaDB、Oracle、Microsoft SQL Serverなど、一般的なリレーショナルデータベースを簡単にセットアップ、運用、スケールできるサービスです。
Amazon DynamoDBは、完全にマネージドなNoSQLデータベースサービスです。大規模なスケールでのワークロードにも対応可能で、柔軟性と高いパフォーマンスを提供します。
Amazon Auroraは、MySQLおよびPostgreSQLと互換性のある、高性能なリレーショナルデータベースです。商用データベースのパフォーマンスと単純さを低コストで提供します。
Amazon Redshiftは、データウェアハウジングサービスです。大量のデータに対する高速な分析クエリと複雑なデータ分析を可能にします。
Amazon Elasticacheは、RedisやMemcached互換のインメモリデータストアを提供するサービスです。データベースレイヤーのキャッシングによってパフォーマンスを向上させます。
システム開発
AWSは、システム開発ができるツールを多数提供しています。
具体的には、ソースコードの管理ができるAWS CodeCommitや、ビルドサービスであるAWS CodeBuild、などがあります。
AWSの開発ツールを活用することで、CI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)パイプラインの構築が可能です。
loTソリューションの構築
AWSが提供する各種クラウドサービスを活用して、インターネットに接続されたデバイス(IoTデバイス)向けのアプリケーションやシステムを開発・管理できます。
AWS IoT Coreを使用して、数百万のデバイスを安全に接続し、簡単に管理することができます。このサービスを通じて、デバイスからデータを収集し、クラウドへ送信することが可能です。
収集したデータは、AWSのデータ処理と分析サービス(Amazon KinesisやAmazon S3など)を使用して処理・分析されます。リアルタイムのインサイトを得たり、データ駆動型の意思決定をサポートしたりすることが可能です。
AI機能の活用
AWSでは、AIおよび機械学習サービスを用いて、アプリケーションに高度な分析や知能的な機能を組み込めます。
AI機能を提供しているAWSサービスは、以下のとおりです。
- Amazon SageMaker
- Amazon Rekognition
- Amazon Polly
- Amazon Lex
- Amazon Comprehend
Amazon SageMakerは、機械学習モデルの開発、トレーニング、デプロイを容易にするフルマネージドサービスです。開発者とデータサイエンティストが迅速に機械学習モデルを構築し、運用スケールで展開できます。
Amazon Rekognitionは、画像認識やビデオ分析を提供するサービスです。顔認識、オブジェクト検出、テキスト抽出などができ、メディアファイルからの洞察を自動的に得ることができます。
Amazon Pollyは、テキストを自然な発話に変換するテキスト音声変換サービスです。多様な言語やアクセントに対応しており、アプリケーションに音声機能を追加できます。
Amazon Lexは、チャットボットを簡単に構築できるサービスです。自然言語理解(NLU)と自動音声認識(ASR)技術を活用して、対話型インターフェースを提供します。
Amazon Comprehendは、自然言語処理(NLP)を利用してテキストデータから洞察を抽出するサービスです。感情分析、キーワード抽出、エンティティ認識などが可能です。
まとめ
AWSは、柔軟かつ包括的なクラウドサービスを提供するプラットフォームです。
初期費用がかからず、運用コストの最適化が可能なので、予算が限られている企業や初期費用を抑えたい企業に適しています。
またグローバル展開の容易さや高いセキュリティが特徴で、幅広いユーザー層に使用してもらうシステムを開発・移行したい企業にもおすすめです。
AWSを使えば、サーバー環境の構築・運用、データ保存、コンテンツ配信、データベース管理、システム開発、IoTソリューションの構築、AI機能の活用など、幅広い使い方を実現できます。