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ペネトレーションテストと脆弱性診断の違いとは?それぞれの目的ややり方を解説

2024.01.18

システムのセキュリティに問題がないか調べるとき、ペネトレーションテストと脆弱性診断の違いを把握していない場合があるのではないでしょうか。

そこで本記事では、ペネトレーションテストと脆弱性診断の違いについて、実施する目的や頻度などを解説します。

そのほか、各テストのやり方やおすすめする企業の特徴もお伝えするので、どちらを実施すべきかわからない場合に参考にしてください。

ペネトレーションテストとは?

ペネトレーションテストは、コンピュータシステム、ネットワーク、Webアプリケーションなどのセキュリティを評価するために行われるテストのひとつです。実際の攻撃者が行うような方法でシステムに侵入しようと試みることで、セキュリティ上の弱点や脆弱性を発見して報告します。

ペネトレーションテストは、セキュリティ対策の効果を確かめる重要な手段です。攻撃者による実際の攻撃に備えるために役立ち、組織のセキュリティポリシーの強化や法規制の遵守の確認にも利用されます。

種類1. ブラックボックステスト

ブラックボックステストは、テスト対象の内部構造やコードの動作を意識せず、ソフトウェアの外部からの振る舞いを検証するテストです。

入力と出力に基づいて、システムの動作が仕様に沿っているかを確認するのが目的となっています。

開発者ではなく、テスターやエンドユーザーがテストしやすく、内部構造に依存しないため新規ユーザーの観点での検証が可能である点がメリットです。

一方で、内部構造の欠陥やエッジケースを見つけにくいデメリットがあります。

ユーザーインターフェースのテストや、入力フォームのバリデーション確認が使用例として挙げられます。

種類2. ホワイトボックステスト

ホワイトボックステストは、ソフトウェアの内部構造やコードロジックを理解した上で行うテストです。

ソースコードやロジックフロー、制御構造の検証が対象となります。

隠れたバグやコードの非効率性を発見でき、高品質なコードの維持に役立つ点がメリットです。

ただし、コードに関する深い知識が必要で、外部から見た仕様が正しいかどうかは確認できないデメリットがあります。

単体テストやセキュリティの脆弱性テストが使用例です。

種類3. グレーボックステスト

グレーボックステストは、ブラックボックステストとホワイトボックステストを組み合わせたアプローチ方法です。

テスト対象の一部の内部情報を利用しつつ、外部の振る舞いも検証します。

内部構造の欠陥を発見しやすく、外部の仕様にも配慮できる点がメリットです。

一方で、内部情報を部分的に把握する必要があり、学習コストが発生するデメリットがあります。

例えば、データベースの入出力テストや、Webアプリケーションのフロントエンドとバックエンドの相互作用確認で使用されます。

脆弱性診断とは?

脆弱性診断は、コンピュータシステム、ネットワーク、アプリケーションのセキュリティ脆弱性を特定・分析・評価するものです。この診断を通じて、システム内のセキュリティ上の弱点や潜在的な攻撃ポイントを明らかにします。

定期的に実施することで、組織のセキュリティ体制を強化し、サイバー攻撃に対する防御能力を高められるでしょう。

種類1. アプリケーション診断

アプリケーション診断は、特定のソフトウェアアプリケーションの動作や性能、機能に焦点を当てて問題を特定・解決するための診断方法です。

主に、アプリケーションが仕様通りに動作しているかの確認、応答時間やスループットなどの性能のボトルネックの特定、バグや障害の原因となるコードの問題の特定、アプリケーションの脆弱性や攻撃に対する耐性の評価などが目的です。

アプリケーション固有の問題に集中でき、開発者や品質保証チームが直接関与するため迅速な修正が可能であるというメリットがあります。

ただし、アプリケーション外の環境との依存関係が診断対象に含まれない場合があります。

例えば、Webアプリケーションのレスポンス遅延の原因分析、モバイルアプリのクラッシュレポートの解析、ソフトウェア機能のユーザー利用率やエラーの検証で使用されるケースが多いです。

種類2. プラットフォーム診断

プラットフォーム診断は、アプリケーションが動作する基盤となるプラットフォームの状態やパフォーマンスを分析する診断方法です。

ハードウェア、オペレーティングシステム、ミドルウェア、ネットワーク、仮想環境などが診断対象となります。

主に、CPU・メモリ・ディスクI/Oなどのリソースの利用状況の確認、接続遅延・パケット損失・帯域幅の使用状況の評価、プラットフォームの設定やバージョンの確認、プラットフォーム全体のセキュリティ状況の評価などが目的です。

アプリケーション以外のシステムの問題を検出して根本原因を特定でき、システム全体の安定性や信頼性を向上させる手助けとなるメリットがあります。

一方で、アプリケーション固有の問題には対応しないため、別途アプリケーション診断が必要であるケースがあります。

例えば、サーバーのCPU使用率が高騰している原因の調査、クラウド環境での仮想マシンのスケーリング問題の診断、オペレーティングシステムのメモリリークの検出で使用されているケースが多いです。

ペネトレーションテストと脆弱性診断の違い

ここでは、ペネトレーションテストと脆弱性診断の違いについて、それぞれの実施する目的や範囲、頻度、期間をご紹介します。

実施する目的

ペネトレーションテストを実施する目的は、攻撃者の視点からシステムのセキュリティを試験し、実際にシステムへの侵入が可能かを検証することです。

実際の攻撃シナリオを再現し、セキュリティの脆弱性とその影響を特定します。

脆弱性診断を実施する目的は、システムやネットワーク内の既知の脆弱性を特定し、セキュリティの弱点を明確にすることです。

攻撃者の視点ではなく、主に技術的な脆弱性の特定に焦点を当てます。

調査する範囲

ペネトレーションテストでは、ネットワーク、アプリケーション、システムのインフラなどの特定のターゲットに対する深い調査を行います。

特定されたシステムやアプリケーションのセキュリティを総合的に評価します。

脆弱性診断は、システム全体または特定の部分に対して広範囲のスキャンを行います。

多くの既知の脆弱性をチェックし、攻撃の可能性よりも脆弱性の存在に重点を置いている点が特徴です。

実施する頻度

ペネトレーションテストを実施する頻度は、大規模な変更、新しい脅威の出現、または定期的なセキュリティ評価の一環として年に1回またはそれ以上です。

脆弱性診断は定期的に実施されることが多く、四半期ごとや半年ごとなど比較的高い頻度で行われます。

実施する期間

ペネトレーションテストは、数日から数週間に集中して実施されることが多いです。テストの範囲や複雑さにより期間は異なります。

脆弱性診断は、数時間から数日で終了することが一般的です。範囲にもよりますが、ペネトレーションテストに比べて比較的短時間で完了することが多いです。

かかる費用

ペネトレーションテストは、具体的な侵入シナリオをシミュレーションするため、専門知識を持つエシカルハッカーやセキュリティエンジニアが手作業で実施する部分が多いです。

手動の作業が中心で高度なスキルが必要なので、ペネトレーションテストのほうが費用が高くなる傾向にあります。

一方で、脆弱性診断は、自動化ツールによる診断が多いため、コストが比較的抑えられます。

ただし、コストのみを見るのではなく、実施する目的やテストしたいシステムのセキュリティなどを考慮して、自社に合うものを選ぶことが大切です。

ペネトレーションテストは、システムが高度なセキュリティを必要とする場合や、実際に攻撃を受ける可能性をテストしたい場合に適しています。

脆弱性診断は、手軽にセキュリティ状況を把握したい場合や、既知の脆弱性を中心に確認したい場合におすすめです。

ペネトレーションテストのやり方

ペネトレーションテストの基本的な流れは、以下のとおりです。

  1. システムやセキュリティの状況を確認する
  2. シナリオを作成する
  3. シナリオに沿ってテストを実施する
  4. 報告書を作成する

脆弱性診断のやり方

脆弱性診断の基本的なやり方は、以下のとおりです。

  1. システムの構造などを確認する
  2. システムを擬似攻撃する
  3. 問題点やリスクを洗い出す
  4. 報告書を作成する

ペネトレーションテストをおすすめする企業の特徴

ここでは、ペネトレーションテストをおすすめする企業の特徴を3つご紹介します。

現状のセキュリティ対策や体制を評価したい

ペネトレーションテストは、実際の攻撃者が利用する手法を模倣して行われます。企業が現在取り組んでいるセキュリティ対策が実際の脅威に対してどの程度効果的かを評価することができるので、現状を評価してもらいたい企業におすすめです。

ペネトレーションテストにより、潜在的なリスクやセキュリティ侵害の影響を具体的に理解できます。これにより、リスク管理戦略の強化や優先順位の再評価が可能になります。

テスト結果をもとに、セキュリティポリシーの見直しや改善を行うことが可能です。企業がセキュリティ基準やコンプライアンス要件を満たしていることを確認するのに役立ちます。

また、セキュリティインシデントが発生した際の対応計画やプロセスを評価するのにも有効です。実際の攻撃シナリオをシミュレートすることで、対応能力を検証し、必要に応じて改善が可能です。

今後投資すべきセキュリティ対策を知りたい

ペネトレーションテストは、現在のセキュリティ体制に存在する具体的な弱点や脆弱性を明らかにします。セキュリティのギャップを特定するので、将来のセキュリティ投資の方向性を決定するのに役立つでしょう。

テスト結果は、セキュリティリスクをベースにした優先順位付けを可能にします。これにより、リソースと投資を最も重要なセキュリティ対策に集中させられます。

またテストを通じて得られた洞察は、企業が戦略的なセキュリティ計画を策定するのに役立ちます。どのセキュリティ技術や手法に投資すべきか、またはどのようなセキュリティトレーニングやポリシーが必要かなどの決定に有効です。

ペネトレーションテストにより、不必要なセキュリティ支出を避け、コスト効率の良いセキュリティ対策に焦点を合わせられます。具体的な脆弱性の知識は、リソースの効率的な配分に寄与します。

ペネトレーションテストは、将来の脅威やリスクに対する企業の対応力を強化するための洞察を提供します。これは、進化するサイバー脅威に対応するためのセキュリティ対策の投資を導くのに役立つでしょう。

サイバー攻撃などを検知する組の精度について調べたい

ペネトレーションテストは、企業のセキュリティシステムや検知ツールが実際の攻撃をどの程度効果的に検知できるかを評価します。具体的には、侵入検知システム(IDS)、侵入防止システム(IPS)、ファイアウォールなどのセキュリティメカニズムの有効性を検証できます。

ペネトレーションテストを通じて、企業のセキュリティシステムが見逃している脅威や攻撃手法を特定できます。これにより、検知メカニズムの弱点や改善点を明らかにすることが可能です。

テストでは、現実の攻撃シナリオを模倣することで、セキュリティシステムのリアルタイムでの反応を評価します。そのため、実際の攻撃状況での検知能力を確認したい場合におすすめです。

また、さまざまな種類の攻撃をシミュレートすることで、セキュリティアラートシステムが適切に機能しているかを確認します。アラートの精度や応答時間などが評価の対象となります。

攻撃が検知された際の対応プロセスや手順も評価の対象です。ペネトレーションテストにより、セキュリティインシデント発生時の組織の対応能力を検証し、必要な改善策を導き出せます。

脆弱性診断をおすすめする企業の特徴

ここでは、脆弱性診断をおすすめする企業の特徴を3つご紹介します。

今までセキュリティ診断を受けたことがない

セキュリティ診断を行ったことがない企業では、まず現在のセキュリティ状態を正確に把握することが重要です。脆弱性診断は、システムやネットワークのセキュリティ状態を概観し、基本的なセキュリティ弱点やリスクを特定します。

これまでセキュリティ診断を経験していない企業では、組織内のセキュリティに対する意識が十分でないことが多いです。脆弱性診断を通じて、セキュリティの重要性を認識し、組織全体のセキュリティ意識を高めることができます。

また脆弱性診断は、どのようなセキュリティ対策が必要かの初歩的な指針を提供します。診断結果をもとに、セキュリティの改善策や優先順位を立てることができます。

今までセキュリティ診断を受けていない企業は、リスク管理の基盤が不足している可能性があります。脆弱性診断を実施することで、リスク管理の基本的な枠組みを構築し、今後のセキュリティ強化への道筋を作ることができるでしょう。

アップデート後のセキュリティシステムを評価したい

システムやソフトウェアのアップデートは、新しい機能を追加すると同時に新たな脆弱性をもたらす可能性があります。脆弱性診断を通じて、アップデート後のセキュリティ状態を評価し、変更によって生じた新たなリスクを特定できるでしょう。

アップデートはセキュリティ強化を目的とすることが多いですが、その効果を確認するには脆弱性診断が有効です。診断を行うことで、アップデートが期待通りのセキュリティ向上をもたらしているかを客観的に評価できます。

またアップデート後に特定された脆弱性は、今後のセキュリティ対策の計画に役立ちます。診断結果に基づいて、さらなるセキュリティ強化策や修正措置を策定することが可能です。

一部の業界では、定期的なセキュリティ評価やアップデート後のセキュリティチェックが法規制や業界基準で求められています。脆弱性診断は、これらの要件を満たすための手段として役立つでしょう。

システムの欠陥の有無をチェックしたい

脆弱性診断は、システムやアプリケーションに存在する既知のセキュリティ脆弱性を特定します。これにより、企業は自社のシステムに潜在的な欠陥があるかどうかを確認できます。

この診断では、システム全体にわたる広範囲のチェックが行われます。これにより、システムのあらゆる側面におけるセキュリティの状態を評価することが可能です。

既に実施されているセキュリティ対策の効果を検証するためにも脆弱性診断は有効です。システムに欠陥がないことを確認することで、現行のセキュリティ対策が適切であることを検証できます。

脆弱性診断サービスやペネトレーションテストサービスを選ぶ際のポイント

ここでは、脆弱性診断サービスやペネトレーションテストサービスを選定するときのポイントを5つご紹介します。

1. 対応範囲が適切か

テスト対象の範囲や内容が、依頼するシステムや環境、リスク要件に合致しているかを確認しましょう。

脆弱性診断の場合、自動ツールによる表面的な診断か、詳細な手動分析も含まれるかがポイントです。

ペネトレーションテストは、実際に攻撃を模倣し、侵入可能性を深掘りする手法を採用しているかを確認しましょう。

対応範囲が不適切な場合、本来重要な部分が診断対象外となりリスクが見過ごされる可能性があったり、必要以上に広範な範囲を含めてしまうと診断費用が膨らんだりするリスクがあります。

本来不要な部分まで診断を行うとスケジュールが遅れる恐れがあるので、対応範囲を明確にすることが重要です。

2. 専門家が必要か

専門家のサポートは、テストの精度を向上させたい、高度な攻撃手法を模倣する必要がある、テスト結果の解釈や修正対応に専門知識が求められる場合に必要です。

専門家のサポートがない場合、自動ツールが誤検出や見逃したり、ビジネスに与える影響の大きさを適切に判断できなかったりするケースがあります。

テスト結果に基づいて効果的な修正を実施するための知識が不足するケースもあるので、場合によっては専門家の協力が求められます。

3. 診断の手法が適切か

診断の目的、対象システムの特性、リスクの種類に応じて最適なアプローチが選択されているかを確認しましょう。

診断手法が不適切な場合、重要な脆弱性を見逃してしまったり、不要なスキャンや過剰な診断でリソースが無駄になったりする恐れがあります。

適切な手法を選ぶことで、脆弱性の正確な特定や、リスクに応じた効果的な対応が可能です。

また、実際の脅威やリスクを網羅的に把握でき、実用的なレポートが提供されるため修正計画が立てやすいメリットにつながります。

4. 求めている結果報告を得られるか

診断結果の報告書には、発見された脆弱性の種類や詳細な内容、具体的な影響範囲やシステムへの潜在的なリスク、各脆弱性がもたらすリスクの重大度、優先的に対処すべき項目の明確な区分、脆弱性ごとに具体的な修正方法などが記載されるか確認しましょう。

適切な結果報告を得るためには、ベンダーに報告書のサンプルを見せてもらい、内容や形式が求める基準に合致しているか確認することがポイントです。

さらに、修正後の再診断やアフターフォローが含まれるか、修正後のテストは無料で提供されるかなども確認しておきましょう。

5. アフターフォローは充実か

アフターフォローの具体的な内容には、早期修正に向けた緊急対応のアドバイス、修正手順や設定変更の具体例の提供、修正後に無料または割引価格で再診断の提供などがあります。

アフターフォローが充実していないと、診断結果を正確に解釈できず修正が適切に行われなかったり、診断後の継続的な対策が不足して同様の問題が再発する恐れがあったりします。

アフターフォローの充実さを重視する場合は、アフターフォローの内容が契約時に明記されているか、修正後の確認作業が標準サービスとして含まれているか、などのポイントを確認しましょう。

まとめ

ペネトレーションテストと脆弱性診断は、セキュリティ強化のために重要な手法です。

ペネトレーションテストは、攻撃者の視点からシステムのセキュリティを評価し、深い洞察を提供します。目的は実際の侵入可能性の確認で、特定のターゲットに対して集中的に行われ、比較的少ない頻度で実施されます。

一方、脆弱性診断はシステムの既知の脆弱性を特定することに焦点を当て、広範囲にわたって行われます。定期的に実施され、実施期間は比較的短いです。

ペネトレーションテストは、セキュリティ対策の評価や対応力の向上を望む企業に適しています。

脆弱性診断は、これまでセキュリティ評価を受けていない企業や、システムアップデート後のセキュリティレベルをチェックしたい企業におすすめです。

システムやネットワークなどのセキュリティが心配な方は、企業の目的やニーズに合わせてペネトレーションテスト、または脆弱性診断を行うと良いでしょう。

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