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ワークフローとは?システム導入によるメリットや選定までの手順を紹介

2024.05.31

社内でのワークフローにおいて、紙を用いていないでしょうか。

紙媒体を撤廃してワークフローシステムを導入することで、さまざまなメリットが得られます。

本記事では、社内にワークフローシステムを導入するメリットをご紹介します。

そのほか、ワークフローシステムを導入する手順もお伝えするので、導入を検討している場合はぜひ参考にしてください。

ワークフローとは?

ワークフローとは、特定の業務プロセスを遂行するための一連の手順やタスクの流れを指します。これらの手順やタスクは、業務の効率化や標準化を図るために設計されており、組織内での業務の流れを可視化し、管理するためのツールや方法論です。

ワークフローには、以下のような要素が挙げられます。

  • タスク:業務プロセスの中で実行される個々の作業や活動
  • 担当者:各タスクを実行する責任を持つ人物やチーム
  • 順序:タスクが実行される順番や依存関係
  • ルール:タスクがどのように実行されるべきかを定義する基準や条件
  • ツール:ワークフローを実行、追跡、管理するためのソフトウェアやシステム

また、ワークフローの例としては、次のようなものがあります。

  • 書類の承認プロセス:書類が作成され、レビューされ、承認され、最終的に保存されるまでの一連の手順
  • 顧客対応プロセス:顧客からの問い合わせを受け付け、対応し、解決するまでの手順
  • 製品開発プロセス:製品の企画、設計、開発、テスト、リリースまでの一連の活動

紙のワークフローが抱える課題とは?

ここでは、紙のワークフローが抱える課題を6つご紹介します。

どの申請書を使えば良いかわからない

企業や組織では、さまざまな業務プロセスに対して異なる申請書が用意されています。例えば、休暇申請書、経費精算申請書、出張申請書など、目的に応じた申請書が多数存在します。

申請書のフォーマットや内容は、組織の方針変更や法令の改正などに伴い更新されることがあります。しかし、最新の申請書がどれなのかが明確でない場合、古いバージョンの申請書を使用してしまう場合があります。

また、紙の申請書は物理的に保管されるため、オフィス内の異なる場所に保管されているケースがあります。どこにどの申請書が保管されているかが分からないと、申請書を探し出すのに時間がかかり、業務の効率が低下するでしょう。

申請書の選択に迷った場合、担当者に確認を取る必要があります。しかし、担当者が不在の場合や複数の担当者に確認が必要な場合、さらに時間がかかり業務の進行が遅れてしまうでしょう。

ワークフローシステムを導入することで、どこに申請書が保管されているかがひと目でわかるので、スムーズに使うべき申請書が見つかるでしょう。

申請書を作成するのに時間がかかる

紙の申請書は通常、手書きで記入する必要があります。手書きでは、書き間違いの修正や字を丁寧に書く時間がかかり、全体的な作成時間が長くなります。

申請書を作成する際には、必要な情報を収集するために他の文書やデータを参照する必要があるでしょう。紙ベースでは、これらの情報が物理的に異なる場所に保管されていることが多く、情報収集に時間がかかります。

また、申請書のフォーマットが統一されていない場合、各申請書ごとに異なるレイアウトや項目に合わせて記入する必要があります。記入ミスや記入漏れが発生しやすくなり、作成時間が延びるケースがあるでしょう。

同じ情報を複数の申請書に繰り返し入力する必要がある場合、記入作業が煩雑になり、時間がかかります。特に、氏名・部署名・連絡先などの情報を毎回手書きで記入することは非効率です。

ワークフローシステムを導入することで、

申請書を作成後に誰に渡せば良いかわからない

組織内の承認プロセスが明確に定義されていない場合、申請書を作成した後に次に誰に渡すべきかがわからないことがあります。特に、新入社員や異動したばかりの社員にとっては、適切な承認者を特定するのが難しいです。

組織の構造や担当者が頻繁に変わる場合、最新の承認ルート情報を把握するのが難しくなります。誤った担当者に申請書を渡してしまうことがあり、承認プロセスが遅延します。

また、紙の申請書は物理的に移動するため、どの段階で誰が申請書を持っているのかを追跡するのが難しいです。そのため、申請書が行方不明になったり、処理が滞ったりする場合があります。

ワークフローシステムを導入することで、紙媒体の撤廃が進められ、システム上で申請書を作成してそのまま担当者に作業の委託が可能です。

承認作業が滞る

紙の申請書は、物理的に承認者に届けられる必要があります。承認者がオフィスに不在の場合や、書類が適切に配布されない場合、承認プロセスが遅れます。

また、承認ルートが複雑で複数の承認者を経る必要がある場合、各ステップでの承認に時間がかかります。各承認者が申請書を確認し、承認するまでの待ち時間が累積すると、全体のプロセスが大幅に遅れる可能性があるでしょう。

紙の申請書は紛失しやすく、どの段階でどこにあるのかを追跡するのが難しいです。書類が行方不明になると、承認プロセスが停止し、再度の作成や提出が必要になる場合もあります。

ワークフローシステムを導入することで、申請書の紛失を防いで、結果的に承認作業が滞るのを解決できるでしょう。

印刷や保管にコストがかかる

紙の申請書を使用する場合、印刷にかかるコストが発生します。紙代、インク代、プリンターのメンテナンス費用などが含まれます。特に、大量の申請書を取り扱う組織では、これらのコストが累積すると大きな負担となるでしょう。

紙の申請書を保管するためには、物理的なスペースが必要です。書類が増えるにつれて、保管場所が不足し、追加の保管スペースを確保するためのコストが発生します。また、長期間の保管が必要な場合、書類の劣化や紛失のリスクも増えるでしょう。

また、紙の申請書は、適切に分類・整理し、必要に応じて迅速にアクセスできるように管理する必要があります。この作業には時間と労力がかかり、専任のスタッフが必要になるケースもあります。

ワークフローシステムを導入することで、紙の申請書を分類したり整理したりする手間を省けるので、印刷や保管にかかるコストの削減につながるでしょう。

データ活用がなかなか進まない

紙の申請書に記載された情報は物理的な形で存在しているため、デジタルデータとして容易に活用することができません。デジタルデータに変換するためには、手動でデータを入力するか、スキャナやOCR技術を使用する必要がありますが、これには時間と労力がかかります。

紙の書類は複数の場所に分散して保管されることが多く、必要なデータを一元的に管理するのが難しいです。データが分散していると、情報を統合して分析することが困難になり、データの有効活用が進みません。

また、紙の書類から必要な情報を検索することは、時間がかかり非効率です。書類の山から特定の情報を見つけ出すには、物理的に書類を探す必要があり、迅速なデータアクセスが求められる現代のビジネス環境では大きな障害となります。

ワークフローシステムを導入することで、蓄積したデータから求めているデータを即座に探し出せるので、スムーズにデータ活用ができるでしょう。

ワークフローシステムを導入するメリット

ここでは、ワークフローシステムを導入するメリットを5つご紹介します。

ペーパーレス化や脱ハンコ

ペーパーレス化は、紙・インク・プリンターのメンテナンス費用を削減できるメリットがあります。紙の書類を保管するための物理的なスペースが不要になるので、オフィススペースの有効活用が可能です。

また、デジタルデータは検索が容易で、必要な情報に迅速にアクセスできるので、業務のスピードが向上します。デジタルドキュメントは簡単に共有でき、複数の人が同時にアクセス・編集できるため、コラボレーションがスムーズに行えるでしょう。

脱ハンコは、ハンコを物理的に押す必要がなくなり、承認プロセスが迅速に行えます。特に

、リモートワークや出張時に便利です。

ハンコを押すために書類を持ち歩いたり、上司のオフィスを訪問したりする時間が不要になります。これにより、他の重要な業務に集中できる時間が増えるでしょう。

業務の効率化

システムは次の承認者に自動的に通知を送り、承認作業を促進します。承認待ちの時間が大幅に短縮されるので、複数の承認者が同時に作業を進められ、全体の承認プロセスが加速します。

ワークフローシステムは、承認プロセスの進行状況をリアルタイムでトラッキングし、可視化します。申請書が現在どの段階にあり、誰が承認を待っているかをリアルタイムで確認が可能です。

また、承認プロセスの進行が透明化され、関係者全員が状況を把握できるため、無駄な問い合わせや確認作業が減ります。

決断にかかる時間の短縮

ワークフローシステムを導入すると、承認プロセスが自動化されるため、手動での承認手続きに比べてスピーディに進行します。

どの段階において申請があるのか、誰が承認を行っているのかなどの情報を一目で確認できます。そのため、承認プロセスの進行状況が明確化され、迅速な意思決定が可能です。

また、ワークフローシステムには、標準化されたプロセスや自動チェック機能が組み込まれています。例えば、必要な情報が入力されているか、規定のフォーマットに従っているかなどを自動的にチェックします。

標準化されたプロセスに従うことで、業務の一貫性が維持されます。申請書や承認プロセスの混乱や誤解が減り、意思決定がスムーズに行われるでしょう。

さまざまなワークスタイルへの対応

ワークフローシステムは、オンラインでのアクセスを可能にするため、リモートワークに適した環境を提供します。

ユーザーは、インターネットに接続されたデバイスからシステムにアクセスできます。これにより、場所に縛られずに業務を行うことが可能です。

また、ワークフローシステムは、24時間365日いつでも利用可能なため、柔軟な勤務時間に対応します。ユーザーは自身のスケジュールに合わせてシステムにアクセスし、申請や承認作業を行うことが可能です。

ワークフローシステムは、モバイルデバイスからのアクセスをサポートし、移動しながら業務を行うモバイルワーカーに対応します。スマートフォンやタブレットからもアクセス可能なため、外出先や移動中でも業務を継続できます。

内部統制の強化

ワークフローシステムは、特定の業務プロセスに沿った自動化された手順を提供します。従業員は統一された手順に従って作業を行うため、混乱やミスが減少するでしょう。

システムによって、自動化されたプロセスは一貫して適用され、個々の担当者の裁量に左右される場合がありません。プロセスの透明性が向上し、内部統制が強化されます。

また、ワークフローシステムは、アクセス制御やセキュリティ機能を強化し、機密情報や重要なデータの保護をサポートします。

ワークフローシステムは、データの暗号化やセキュリティポリシーの適用をサポートします。結果的に、データの漏洩や改ざんを防ぐことができます。

ワークフローシステムを導入する手順

ここでは、ワークフローシステムを導入する手順を4つのステップに分けてご紹介します。

1. ワークフローシステム導入の代表者とチームメンバーを決定する

まず、ワークフローシステム導入のプロジェクトを担当する代表者を決定します。

この代表者は、プロジェクトのリーダーシップを担い、各段階での意思決定や調整を行います。

2. ワークフローの現状を調査して把握する

ここでは、現在のワークフローを詳細に調査し把握します。

具体的には、現行の業務プロセスの流れや手順、業務に関わる部門や担当者、業務に使用されているツールやシステム、問題点や課題点などをリサーチしましょう。

3. ワークフローの改善策を考える

ワークフローの現状を把握した後、改善策を考えます。

この段階では、業務プロセスの効率化や合理化のための改善点の特定、ワークフローシステム導入による期待される効果やメリットの明確化、ユーザーのニーズや要件の把握を行いましょう。

4. ワークフローシステムを選定する

最後に、適切なワークフローシステムを選定します。

業務プロセスをサポートするために必要な機能を持っているか、システムの使いやすさや操作性、組織のニーズに合わせてカスタマイズ可能か、などのポイントに着目しましょう。

導入コストやランニングコストが予算内に収まるか、システムのサポート体制やメンテナンスサービスが適切かもポイントです。

また、現状が紙運用なのか、Excelなどのファイル運用なのかによって、最適なシステムも異なるので、移行のしやすさにも着目すると良いでしょう。

まとめ

ワークフローは、業務プロセスを効率的に管理する仕組みであり、紙のワークフローには申請書の作成や承認作業の滞り、印刷や保管のコストなどの課題があります。

ワークフローシステム導入により、ペーパーレス化や業務の効率化、決断時間の短縮、さまざまなワークスタイルへの対応、内部統制の強化が期待されます。

導入手順としては、代表者の選定から始め、現状の把握、改善策の検討、適切なシステムの選定を進めます。これにより、組織は業務プロセスの効率化とコスト削減を実現し、競争力を高めることが可能です。