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AWSの従量課金料の仕組みや料金目安・計算ツールを紹介

2024.06.26

AWS(Amazon Web Services)は、従量課金制により利用料金が発生します。

本記事では、AWSの従量課金制について、仕組みや料金体系、メリットやデメリットをご紹介します。

そのほか、AWSの料金計算ツールや料金の目安をお伝えするので、利用を開始する前に予算を把握しておきたい場合にぜひ参考にしてください。

AWSの従量課金料とは?仕組みを紹介

AWSの従量課金料とは、実際に利用したリソースやサービスに応じて料金が発生する課金モデルです。

仕組みとしては、利用されたリソースの量や時間、データ転送の量などに応じて料金が発生します。例えば、EC2インスタンスの場合、インスタンスの種類、実行時間、使用したストレージの量などが計算要素となります。

AWSの従量課金制のメリット

従量課金制では、実際に利用したリソースに応じて料金が発生するため、不必要なリソースの使用を避けることでコストを最小限に抑えられる点がメリットです。

リソースの必要量や使用状況に応じてスケールアウトやダウンを行うことができ、適正なリソースの利用とコスト管理が可能です。

また、ビジネスの成長や変化に迅速に対応できる柔軟性があります。必要に応じてリソースを増減させることで、需要の変動や特定のイベントに適切に対応できるでしょう。

例えば、季節的なピーク時や予期せぬトラフィックの増加にも、即座にスケールアップしてサービスの提供を維持できます。

リソースの使用状況や負荷に応じて最適なサイズやタイプのリソースを選択できるため、パフォーマンスを最大化し、コストの削減が可能です。AWSの多様なインスタンスタイプやストレージオプションを活用することで、ニーズに最適なリソース構成を実現できるでしょう。

AWSの従量課金制のデメリット

従量課金制では、実際の使用量に応じて料金が変動するため、事前に正確なコスト見積もりを行うことが難しい場合があります。特に、予測困難なトラフィックの増加や急激なリソース使用量の変動がある場合、予算管理が困難になるケースがあるでしょう。

予期せぬトラフィックの急増やリソースの誤った設定などにより、料金が急増することがあります。長時間実行された大規模なリソースの誤使用は、高額な料金請求を引き起こす可能性があるので注意が必要です。

多くの場合、従量課金制ではリソースの最適化や効率的な管理を心がけなくてはいけません。リソースの使用状況や料金設定を適切に把握し、適切な対策を講じなければ、コストが予想以上にかかるケースがあるでしょう。

突発的なトラフィックの増加や負荷の上昇がある場合、自動的にスケーリングされるため、その分の料金が発生します。そのため、予算の逼迫や予想外の財務リスクが発生する恐れがあります。

また、長期間にわたって安定してリソースを使用する場合、リザーブドインスタンスやコミットメントを適用する方がコスト効率が良い場合があるでしょう。従量課金制では、長期間の使用によるコストの累積が高額になりやすいです。

AWSの料金体系

ここでは、AWSの料金体系について3つの項目に分けて解説します。

サーバー

AWSにおけるサーバーに関する料金体系は、主にEC2インスタンスを中心とした料金設定があります。

AWSでは、さまざまな性能と価格のインスタンスタイプを提供しており、それぞれのインスタンスタイプに対して異なる料金が設定されている点が特徴です。

例えば、汎用用途向けのインスタンス、メモリ最適化インスタンス、コンピューティング最適化インスタンスなどがあります。EC2インスタンスは、実行時間に応じて課金され、インスタンスが起動している時間だけ料金が発生します。

長期間安定して使用する場合は、リザーブドインスタンスを購入することで割引を受けることが可能です。1年または3年の契約期間を選択し、一定の利用料金を前払いすると、利用料金を削減できます。

ストレージ

Amazon S3などのオブジェクトストレージサービスは、使用したデータの保存量に対して課金されます。

標準、インテリジェントティアリング、一時的なデータなどのさまざまなストレージクラスがあり、料金もクラスによって異なる点が特徴です。

具体的には、データのアップロードやダウンロード、AWSリージョン間のデータ転送に対して料金が発生します。

データ転送

同一AWSリージョン内でのデータ転送は、無料です。例えば、同一のEC2インスタンス間や同一のAmazon S3バケット間のデータ転送は料金が発生しません。

AWS内のさまざまなサービス間でのデータ転送も、無料です。

ただし、AWSインフラストラクチャを介してインターネットにデータを送信する場合、転送されたデータ量に応じて料金が発生します。料金は、送信されたデータの量によって段階的に設定されているので確認しておくと良いでしょう。

こちらの資料では、AWSの導入を検討されている方へ向けて、AWSの基礎知識から構築ステップ、よくある質問まで、最低限押さえておいた方が良い情報をまとめております。

もし、今AWSによるWEBサービスの構築や設計をお考えの方は下記の資料を確認しながら、AWSの特性や自社にマッチしているかをご確認ください。

AWSの料金計算ツール

ここでは、AWSの料金計算ツールを2つご紹介します。

AWS Pricing Calculator

AWS Pricing Calculatorは、AWSの利用料金を試算し、見積もるためのオンラインツールです。

ユーザーは、計算に使用するリージョン、インスタンスタイプ、ストレージオプション、データ転送量などの詳細なオプションを選択できます。各オプションに応じて、料金にどのような影響があるかを確認することが可能です。

複数のオプションやリージョンを比較して、最適な料金プランを特定することができます。見積もりを保存して後で再度アクセスし、変更も可能です。

また、AWS Pricing Calculatorは無料で利用でき、AWSアカウントを持っていなくてもアクセスできます。AWSアカウントを持っている場合は、ログインして料金計算をより詳細にカスタマイズが可能です。

ざっくりAWS

ざっくりAWSは、AWSのさまざまなサービスやリソースを選択し、それらの利用にかかる料金を簡単に試算できるツールです。ユーザーは、利用したいAWSのサービスやリソースを選択し、必要なパラメータを入力します。

シンプルで使いやすいインターフェースを提供しており、AWSの料金体系や各サービスの特徴を理解していない初心者でも簡単に利用できるでしょう。見積もり結果は、グラフや表形式でわかりやすく表示されます。

また、複数のAWSサービスやリージョンを比較して、最適な料金プランを見つけることができます。同じサービスの異なるオプションを比較することで、コストを最適化するのに役立つでしょう。

AWSの料金の目安

ここでは、AWSの料金の目安を4つのケースに分けてご紹介します。

仮想デスクトップ(VDI)環境

仮想デスクトップ(VDI)環境にかかるAWSの料金は、月額5万円ほどが目安です。

この場合、仮想デスクトップにAmazon WorkSpaces、仮想デスクトップの認証にAWS Directory Service–AD Connector、オンプレミスとの接続にAWS VPN–AWSサイト間VPNが使用されているケースが見られます。

Windowsファイルサーバー構築

Windowsファイルサーバー構築にかかるAWSの料金は、月額16万円ほどが目安です。

この場合、ファイルストレージサービスにAmazon FSx for Windows File Server、アクティブディレクトリサービスにAWS Directory Service、オンプレミスとのVPN接続にAWS Site-to-Site VPNを使用していると想定しています。

2TB容量のWindowsファイルサーバーを構築している場合なので、容量によって利用料金が異なります。

動的Webサイト

動的WebサイトにかかるAWSの料金は、月額8万円ほどが目安です。

この場合、ロードバランサーにElastic Load Balancing、SSL/TLS 証明書にAWS Certificate Manager、Web サーバーにAmazon Elastic Compute CloudとAmazon Elastic Block Store、データベースにAmazon Relational Database Serviceを使用していると想定しています。

社内業務アプリ環境構築

社内業務アプリ環境構築にかかるAWSの料金は、月額31万円ほどが目安です。

この場合、Windows ServerにAmazon Elastic Compute CloudとAmazon Elastic Block Store、SQL ServerにAmazon RDS for SQL Server、ロードバランサーにElastic Load Balancing、オンプレミスとの接続にAWS VPN–AWSサイト間VPNを使用していると想定しています。

まとめ

AWSは従量課金制を採用しており、実際に利用したリソースやサービスの量に応じて料金が発生します。

必要な時に必要なだけのリソースを使用できる柔軟性がありますが、予期しないトラフィックの増加や誤った設定によるコスト増加のリスクもあるでしょう。

料金体系は、サーバー、ストレージ、データ転送などがあり、AWS Pricing CalculatorやざっくりAWSなどのツールを使用して料金を事前に見積もることが推奨されます。

AWSを利用する場面としては、仮想デスクトップ環境やWindowsファイルサーバー、動的Webサイト、社内業務アプリの構築があります。適切なリソースの選定と料金の計画が重要であり、これらを踏まえた環境構築や運用を行うことが効果的です。