1. HOME
  2. ビジネスブログ
  3. 内部統制をワークフローシステムで整備すべき理由とは?

内部統制をワークフローシステムで整備すべき理由とは?

2024.07.10

内部統制とは、法令や規制を遵守するために設計された体制を指します。

本記事では、内部統制を構成する要素や整備するメリットをご紹介します。

そのほか、内部統制を整える際にワークフローシステムを導入したほうが良い理由もお伝えするので、改善策に悩んでいる場合はぜひ参考にしてください。

内部統制とは?

内部統制とは、会社や組織のリスクを適切に管理し、法令や規制を遵守するために設計された体制やプロセスのことを指します。

企業や組織が持つ経営リスク、法的リスク、財務リスクなどを適切に管理し、目標達成に向けた信頼性の高い情報やプロセスを確保するために不可欠です。

内部統制を構成する要素

ここでは、内部統制を構成する要素を6つご紹介します。

1. 統制環境

統制環境は、組織全体の内部統制の基盤となる要素です。組織の管理者や従業員がリスク管理やコントロールを行うための姿勢や態度、価値観、組織文化が反映されます。

統制環境の役割としては、リスク意識の醸成、行動規範の確立、内部統制の基盤となる制御体制の構築が挙げられます。

リスク意識の醸成では、経営者のリーダーシップや組織の価値観が、リスク管理の重要性を組織全体に浸透させることが必要です。

行動規範の確立では、組織文化としての倫理観や行動規範を策定し、従業員がそれに基づいて行動することを促進します。

内部統制の基盤となる制御体制の構築では、組織の管理と監視を効果的に行うための基盤を提供し、内部統制の実現をサポートすることが目的です。

2. 統制活動

統制活動は、組織が設定した目標を達成し、リスクを管理するために実施される具体的な措置や活動のことです。

統制活動の役割としては、リスク管理や資産の保護、法令遵守が挙げられます。

リスク管理では、組織内のリスクを特定し、適切に管理するための措置を提供します。

資産の保護では、組織の資産を不正や損失から保護し、資産の適切な使用と保全を確保することが目的です。

法令遵守では、法令や規制に対する遵守を確保し、法的リスクを最小限に抑えます。

3. リスクマネジメント

リスクマネジメントは、組織が直面するさまざまなリスクを適切に識別・評価・管理するためのプロセスや枠組みのことです。

リスクマネジメントの役割としては、リスクの最小化や戦略的な決定のサポート、法令遵守と信頼性の確保が挙げられます。

リスクの最小化では、組織が直面するリスクを理解し、適切な管理と対応策を通じてリスクの発生を最小限に抑えます。

リスクマネジメントは、組織の戦略的な決定をサポートし、不確実性を管理して安定した成果を達成するための枠組みを提供することが目的のひとつです。

また、リスクマネジメントは、法令や規制に対する遵守を保証し、内部統制の信頼性を高められる可能性があります。

4. 社内外に情報が伝達される仕組みや体制

社内外に情報が伝達される仕組みや体制は、情報の適切な伝達と共有を確保し、組織内外の関係者が必要な情報にアクセスして意思決定に活用できるようにするための仕組みと体制のことです。

この体制の役割としては、意思決定のサポートのほかに、法令遵守と透明性や効率と生産性の向上が挙げられます。

情報の正確性と透明性が保たれることで、法令や規制への遵守が促進されるでしょう。

情報が適切に伝達されると、業務の効率化や生産性の向上がさらに期待できます。

5. モニタリング

モニタリングは、組織が設定した内部統制が適切に機能しているかを定期的に評価し、監視するプロセスや活動のことです。

モニタリングの要素には、内部監査や管理監査などがあります。

内部監査では、独立した部門や専門家が組織内のリスク管理、コントロール、およびガバナンスプロセスを評価します。定期的な監査プログラムを通じて、内部統制の有効性や適合性を評価し、改善の機会を特定することが目的です。

管理監査は、経営陣や上級管理職が組織の戦略的目標やリスク管理プロセスを確認するための活動です。経営陣が直接、内部統制の進捗状況や重要なリスクについて評価し、必要に応じて方針や手順を修正します。

6. ITの導入や整備

ITの導入や整備は、ITを活用して組織内の業務プロセスやデータ管理を効率化することです。近年では、ITの進化と普及により、組織の内部統制においてITが重要な役割を果たしています。

組織のニーズに合った情報システムを選定して導入することで、業務の自動化やデータの一元管理を実現します。これにより、情報の正確性と可用性が向上し、内部統制の基盤となるでしょう。

ITの整備には、データセキュリティの確保とアクセス管理の強化が含まれます。データの暗号化、アクセス権の制御、ログの監視と分析などの手法を通じて、情報資産を保護し、不正アクセスやデータ漏洩を防止する目的も挙げられるでしょう。

内部統制を整えるメリット

ここでは、内部統制を整えるメリットを4つご紹介します。

1. 業務の効率化につながる

内部統制が整えられると、業務プロセスが自動化される機会が増えます。

例えば、適切に設計されたコントロールと自動化されたシステムは、人為的なエラーや重複作業を減らし、業務の処理速度と精度を向上することが期待できるでしょう。

データの適切な収集、分析、および報告をサポートする内部統制システムは、管理者や関係者がリアルタイムで重要な情報にアクセスし、迅速な意思決定を可能にします。その結果、業務の進捗状況や問題点の把握が容易になるでしょう。

また、内部統制によって、人材、資金、時間などなどのリソースが効果的に管理されれば、最も重要な業務やプロジェクトに集中できるようになる可能性があります。無駄な作業やリソースの浪費を防ぐことができ、組織全体の生産性の向上が期待できます。

2. 財務の健全性を明示できる

内部統制が整えられると、財務情報の収集・処理・報告が効率化され、正確性が確保されるでしょう。

適切なコントロールが設定されたシステムにより、データの誤りや不正のリスクが低減し、信頼性の高い財務報告を提供することが可能です。

内部統制が強化されると、財務プロセスにおけるリスクが早期に識別され、適切に管理されます。

例えば、不正行為や誤った取引の発見が早まり、そのようなリスクが財務に影響を与える前に対処できるようになるでしょう。

また、財務の健全性が明確になることで、内外のステークホルダーに対して組織の信頼性と透明性が向上します。

投資家や株主、金融機関などは、正確な財務情報を基に組織の健全性を評価し、信頼して取引を行うことが可能です。

3. 不正リスクやコンプライアンス違反を防げる

内部統制が整備されると、業務プロセスにおける異常や不正行為が早期に検出されます。

例えば、取引の二重処理や不正な資金移動などのパターンが自動的に識別され、適切なコントロールによって防止されるでしょう。

また、情報システムや業務システムへのアクセスが適切に管理され、権限が厳密に制御されます。これにより、不正なアクセスやデータの不正利用の防止が可能です。

内部統制は、組織全体の倫理観やコンプライアンス意識を高める役割も果たします。明確なルールとガイドラインが設定され、社員がその重要性を理解し従うことで、不正行為や違反行為を防止する文化が育成されるでしょう。

4. モチベーション低下を防げる

内部統制が整備されると、業務プロセスや意思決定の透明性が高まります。組織内のルールやポリシーが明確になることで、社員は公正な取り扱いを受けると感じ、モチベーションを維持しやすくなります。

透明性が高まると、管理の公正さや評価基準の明確さが社員に伝わり、不満や不信感が減少するでしょう。

業務プロセスが効率化されれば、人為的な誤りやミスが軽減されます。社員は正確に仕事が遂行される環境で働けることを理解し、仕事への取り組みがやりがいと成果につながると感じるため、モチベーションが向上すると考えられます。

また、法令や規制に対する遵守が強化され、業務におけるリスクが低減するでしょう。社員は組織が適切にリスク管理を行っていることを理解し、安心感を得られる職場での業務を実現できます。

内部統制の整備にワークフローシステムがおすすめの理由

ここでは、内部統制の整備にワークフローシステムがおすすめの理由を3つご紹介します。

1. 業務プロセスを可視化できるから

ワークフローシステムは、業務プロセスを視覚的に示すことが可能です。

組織内の各業務がどのように流れているかを明確に把握できれば、社員は業務の全体像を理解しやすくなります。

可視化された業務プロセスは、作業の手順や時間のかかる箇所を特定し、改善の余地を見つけるのに役立ちます。

また、業務の停滞や承認待ちのタスクがどこにあるかを即座に把握できるため、迅速な対応が可能となるでしょう。

ワークフローシステムは、法的な規制や内部規定に基づく業務プロセスの実施を監視するための重要なツールでもあります。

規制に従った手続きが遵守されていることを確認し、必要な監査や報告の準備をサポートします。

2. 証跡管理を実現できるから

ワークフローシステムは、各種の業務プロセスやタスクの実行履歴を詳細に記録することが可能です。

例えば、誰がどのタスクを実行したか、いつ実行されたか、どのような承認フローを経て処理されたかなどが証跡として残ります。特定のトランザクションや決定の過程を追跡し、後で検証できるようになります。

証跡管理を通じて、不正行為や誤解釈が発生した場合でも、具体的なデータや記録を基に問題の追跡と解決を行うことが可能です。特に、争議が発生した場合、ワークフローシステムによる証跡は、法的な証拠としての役割を果たします。

また、証跡管理は、業務の透明性と信頼性を高めるための重要な要素です。証拠となるデータが明確に示されることで、組織内外のステークホルダーは業務の公正性と正確性に対する信頼を得られるでしょう。

3. 従業員へ適切に情報を伝達できるから

ワークフローシステムは、業務プロセスの自動化と標準化を促進します。そのため、従業員は一貫性のある情報を受け取り、業務の実行手順や規定に関する混乱を減少させられるでしょう。

例えば、承認フローが明確化されているため、どのようにして決裁を得るかを理解しやすくなります。

ワークフローシステムは、Webベースでリアルタイムに情報を共有できます。

従業員は、必要な情報や更新事項に即座にアクセスし、最新の状況を把握することが可能です。これにより、情報の遅延や誤解を防ぎ、業務の効率性を向上させられるでしょう。

また、ワークフローシステムは、各従業員の役割と責任を明確に示します。誰がどのような承認や手続きを担当するかが明確化されるため、チーム全体での連携や責任分担がスムーズに行われます。

まとめ

内部統制は、組織が適切に運営され、業務の効率性や法令遵守を確保するための体制やプロセスのことです。

統制環境、統制活動、リスクマネジメント、情報伝達体制、モニタリング、ITの整備などの要素があります。

これらの要素を整備することで、業務が効率化されたり財務の健全性が示されたりするメリットにつながります。

ワークフローシステムを導入すると、業務プロセスの可視化や証跡管理の実現などのメリットが得られる可能性が高まるでしょう。

ワークフローシステムの導入により、業務の透明性が高まって法的要件に対する準備が整えば、持続可能な成長と競争力の強化が期待できます。