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セールス・イネーブルメントの成功事例10選|成功させるためのポイントや必要性を解説

2024.08.17

セールス・イネーブルメントとは、営業活動の効率化を目指して適切なリソース、ツール、トレーニングを提供するアプローチのことです。

本記事では、セールス・イネーブルメントがなぜ必要なのかをはじめ、成功事例をいくつかご紹介します。

そのほか、セールス・イネーブルメントを成功させるためのポイントもお伝えするので、営業活動を見直したい場合はぜひ参考にしてください。

セールス・イネーブルメントとは?

セールス・イネーブルメントは、営業チームがより効果的に働いて成果を上げるために、適切なリソース、ツール、トレーニングを提供する戦略的アプローチです。

具体的には、知識を習得できるようにトレーニングプログラムを提供したり、プレゼンテーション資料などの営業資料を整備したりします。

そのほか、営業活動をサポートするためのツールやテクノロジーを導入し、分析と改善を繰り返すこともセールス・イネーブルメントに含まれます。

なぜセールス・イネーブルメントが必要なのか

セールス・イネーブルメントが必要とされる理由は、営業チームが効果的にパフォーマンスを発揮し、ビジネスの成長を支えるための複数の重要な要素を提供するためです。

具体的には、必要な情報やリソースを提供して売り上げの向上を図ったり、営業活動に集中できるように無駄な時間やコストを削減したりすることなどが目的です。

また、市場や業界の変化に迅速に対応するためのリソースと情報を提供し、営業チームが柔軟に対応できるようにすることが求められます。

セールス・イネーブルメントにより、競争力を維持し、ビジネス環境の変化に適応できるようにするでしょう。

セールス・イネーブルメントの成功事例10選

ここでは、セールス・イネーブルメントの成功事例を10選ご紹介します。

1. NTTコミュニケーションズ

NTTコミュニケーションズは、セールス・イネーブルメントにより、社員同士が地涌的に学び合う文化の実現に成功しました。

NTTコミュニケーションズが販売する新商材は複雑化していたことから、営業組織の構築が必要だと考えられていました。

具体的には、SFA・MA・インサイドセールス・ABMを活用し、精度の高いデータ収集を実施しています。

また、セールス・イネーブルメントに関する専門の部署を立ち上げたことで、部署から社員へのデータの共有がしやすくなっています。

成功事例を共有するようになり、自分から率先して参加したくなるような、学びやすい環境づくりに成功しました。

2. 株式会社セレブリックス

株式会社セレブリックスは、セールス・イネーブルメントにより、どの社員が営業しても一定以上の売れる仕組みの構築を実現しました。

無形サービスを提供している株式会社セレブリックスは、営業活動の明確な仕組みをつくらなければ、スキルのばらつきにより社員によって提案内容が異なる事態が生じてしまいます。

具体的には、営業活動のデータ化、営業データの定量分析・定性分析、営業課題の設定と解決策の特定、解決につなげる教育ツールの作成や営業ツールの設計などを取り入れました。

結果的には、営業成果を数値で可視化できるようになり、分析結果も研修やトレーニングなどに反映されるようになりました。

3. Sansan株式会社

Sansan株式会社は、セールス・イネーブルメントにより、オンボーディングの強化を実現しています。

キャリア採用した社員を最前線に立たせて活躍できる場を設けることが目的でしたが、育成がうまくいかず1人あたりの生産性が低下してしまっていたことが課題でした。

課題の改善に伴い、SFAデータの再定義と再整備、営業活動のデータ入力の定着、営業プロセスを顧客視点に変更などでオンボーディングのプログラムを構築しています。

また、目標達成率を平均値ではなく中央値に変更したところ、全体の成果を測定でき正当な評価につながりました。

4. 凸版印刷株式会社

凸版印刷株式会社は、DX・BPOが促進されるなか、今までの営業スタイルを変えなければいけないという課題を抱えていました。

セールス・イネーブルメントにより、営業スキルの向上のほか、マネージャーの指導力向上の効果を得ています。

具体的には、社員やマネージャーに向けてスキルマップを作成して、成果を出している人材にマネジメント方法などをヒアリングすることからはじめました。

ヒアリング内容から、マネージャーが取るべき行動や指示、知識などを整理することができ、実際に営業活動でも生かされています。

5. トランスコスモス株式会社

トランスコスモス株式会社は、セールス・イネーブルメントにより、営業ノウハウやコンテンツの蓄積・共有化を実現しています。

100種類以上のサービスラインナップを扱うトランスコスモス株式会社は、コンテンツの活用方法が統一されていないことが大きな課題でした。

そこで具体的には、クラウドツールを導入し、さまざまなシーンに合わせたセールストーク術を動画で共有するようになりました。

その結果、営業スキルの向上や営業する上でのトラブルに対する対処法などを、各社員が知識・スキルとして身につけることに成功しています。

6. 株式会社Hajimari

株式会社Hajimariは、新事業の立ち上げに伴い多数のコンテンツを制作したものの、共有フォルダの管理不足で十分に活用できていませんでした。

そこでクラウドツールを導入して、コンテンツの管理に力を入れるようになり、カテゴリ別でコンテンツをまとめるようになりました。

その結果、求めている資料の場所をいち早く見つけられるようになり、使用頻度が少ない資料はブラッシュアップされるようになっています。

7. 株式会社INFORICH

株式会社INFORICHは、営業活動において資料探しに時間がかかっていたことが課題でした。

そこでコンテンツを管理するためにツールを導入し、誰でも欲しい資料が見つけられる環境づくりに成功しています。

今までは資料探しに毎月3時間ほどかかっていたものの、ツールを導入してからはほとんど時間を費やすことなく、その代わりコア業務に集中できるようになっています。

8. SALES ROBOTICS株式会社

SALES ROBOTICS株式会社は、セールス・イネーブルメントにより、営業スタイルの変革を実現しました。

具体的には、クラウドツールを導入して、動画内に資料やWebページのリンクを設置し、デジタル提案書として使用できるようにしています。

資料作成にかかる時間を削減できたことで、各営業担当がコア業に注力できるようになりました。

9. 東芝テック株式会社

東芝テック株式会社は、セールス・イネーブルメントにより、営業担当の知識やスキルの差を埋めることに成功しています。

今までは、営業担当によってやり方や実力が異なったり、資料の活用方法が異なったりするという課題を抱えていました。

クラウドツールの活用により、動画コンテンツの制作をはじめ、デジタル提案書を営業活動で活かすようになりました。

資料の作成方法が統一されたので、クライアントへの提案資料のばらつきが解消されたのがメリットです。

10. SATORI株式会社

SATORI株式会社は、セールス・イネーブルメントにより、営業プロセスの最適化を実現しています。

具体的には、MAツールを導入して営業履歴を分析することで、営業活動の数値化や改善に取り組む環境づくりに成功しています。

また、アポイントのランクを6段階に分類するようになり、営業担当者のスキル別に顧客を割り振る仕組みが構築されました。

セールス・イネーブルメントを成功させるためのポイント

ここでは、セールス・イネーブルメントを成功させるためのポイントを5つご紹介します。

1. 包括的に営業活動を改善する

営業プロセスの全体を見直し、どの部分が改善可能か特定することが大切です。

具体的には、プロセスのボトルネックや非効率な部分を洗い出して改善策を講じることで、営業活動の流れをスムーズにし、成果を上げやすくします。

また、営業戦略を統一し、全員が同じ目標やアプローチを共有できるようにすることもポイントです。

これには、ターゲット市場や顧客プロファイルの明確化、共通のメッセージング、営業キャンペーンの策定が含まれ、一貫性のある戦略により営業チーム全体が同じ方向に向かって活動できるようになるでしょう。

2. 専門の部署を設置して担当者を配置する

専門の部署を設置することで、セールス・イネーブルメントに特化したスキルや知識を持った担当者を配置することが可能です。

その結果、営業チームのニーズに応じた専門的なサポートやトレーニングを提供できるようになり、より効果的なサポートが可能になります。

また、専任部署を設置することで、営業チームへのサポートが一貫性を持つようになります。

営業活動に対して統一されたアプローチをとることができ、全体の効率が向上するでしょう。

3. 複数の部署で連携する

複数の部署が連携するためには、部門間のコミュニケーションを強化することが不可欠です。

定期的なミーティングや情報共有の仕組みを整え、各部署の活動やニーズを把握することで、協力がスムーズになります。

また、各部署の役割と責任を明確にすることで、セールス・イネーブルメント活動の効率化が図れます。

役割が不明確だと、業務の重複や漏れが生じ、連携がスムーズにいかなくなりやすいです。

複数の部署で連携する際には、成果の共有とフィードバックも重要です。

成功事例や学びを共有することで、全体のパフォーマンスが向上し、さらなる改善が促進されます。

4. ツールを活用する

ツールを活用することで、営業プロセスを効率化し、時間と労力を節約できる可能性があります。

時間と労力の節約に成功すれば、営業担当者はより多くの顧客対応に集中できるようになるでしょう。

具体的には、顧客情報や営業活動を一元管理できるCRMツールや、営業活動の進捗管理やタスクの自動化をサポートするSFAツールなどが挙げられます。

ツールを活用することで、営業活動に関するデータを収集し、分析することが可能です。その結果、パフォーマンスの評価や改善点の特定が可能になるでしょう。

5. 成果の分析と改善を繰り返す

まず、何をもって成果とするかを明確にし、具体的な目標を設定しましょう。

分析対象が明確になれば、改善の方向性を定めやすくなります。

具体的には、売上額・リード獲得数・コンバージョン率などのKPIを設定したり、期限を設定してより明確な方向性を持ったりすることが挙げられます。

成果の分析と改善は一度で終わりではなく、継続的に行うことが大切です。

定期的に分析と改善のサイクルを回すことで、営業活動を常に最適化し、競争力の維持を実現できるでしょう。

まとめ

セールス・イネーブルメントは、営業チームの能力を最大限に引き出すための戦略的アプローチです。

その成功には、包括的な営業活動の改善、専門部署の設置、複数部署の連携、ツールの効果的な活用、成果の分析と改善の繰り返しが欠かせません。

成功事例として、NTTコミュニケーションズやSansanなどが挙げられ、これらの企業はこれらのポイントを実践し顧客対応の質を高めています。

セールス・イネーブルメントを実施することで、営業パフォーマンスの向上とビジネスの成長を実現することができるでしょう。