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DX時代で問題視されるセキュリティリスクとは?サイバー攻撃や情報漏洩を防ぐ対策方法

2024.09.27

DXを促進するにあたって、デジタルデータの量が増えることで、セキュリティ面でさまざまなリスクが増えてしまいます。

本記事では、DX化でセキュリティ対策が必要とされる背景や、どのようなセキュリティリスクがあるのかをご紹介します。

そのほか、DXに重要なセキュリティの認証規格や、DXを促進する上でのセキュリティ対策方法をお伝えするので、DX化を検討する際セキュリティ面が不安な場合はぜひ参考にしてください。

DXとは?

DXとは、デジタル技術を活用して企業や組織のビジネスモデル、業務プロセス、顧客体験を根本的に変革することを指します。

DXの目的は、効率性の向上や新たな価値の創出、競争優位性の確立などであり、単なるIT化やデジタル化にとどまらず、戦略的な取り組みが必要です。

具体的には、クラウドコンピューティング、IoT、ビッグデータ、AIなどの先進技術を活用し、従来の業務フローを見直してデジタル技術を活用して効率化や自動化を図ります。

DX化により、業務プロセスの最適化を実現し、時間やコストを削減できる可能性があります。

デジタル技術を活用して、新たな収益源を開拓したり、市場の変化に迅速に対応したりできるでしょう。

DX時代が進む中でセキュリティ対策が重要視される背景

ここでは、なぜDX時代でセキュリティ対策が重要視されているのか、背景を4つの項目に分けてご紹介します。

デジタルデータの量が増えた

企業はDXの推進に伴い、さまざまなデジタルデータを生成・収集しています。

これには、顧客情報、取引データ、業務プロセスのデータなどが含まれ、情報管理の複雑さを増し、セキュリティリスクを高めているといえるでしょう。

また、データがクラウドサービスやIoTデバイス、モバイル端末など、さまざまな場所に保存されるようになりました。

そのため、データのアクセスポイントが増え、セキュリティホールが生まれる可能性も高まります。

デジタルデータが増えることで、攻撃者が狙うターゲットも増加するので、企業は多層的なセキュリティ対策を講じる必要があります。

デジタルデータの増加に伴い、内部の従業員による不正アクセスや情報漏洩のリスクも増加するでしょう。

特に、リモートワークの普及により、企業のセキュリティ管理が難しくなっています。

個人情報の扱いを規制しようとする動きが見られる

顧客の行動や嗜好に関するデータが容易に取得できる一方で、個人情報が不適切に使用された場合のリスクも高まっています。

顧客との信頼関係を構築するためには、個人情報を適切に管理し、保護することが不可欠です。

情報漏洩や不正アクセスが発生すると、企業のブランドイメージが損なわれ、顧客離れを招く可能性があります。

また、個人情報の取り扱いが厳格に規制される中、企業はデータ漏洩や不正アクセスから情報を守るためのセキュリティ対策を強化する必要があります。

これには、アクセス制御、データ暗号化、定期的なセキュリティ監査が含まれるでしょう。

リモートワークが増加した

新型コロナウイルスの影響やテクノロジーの進展により、リモートワークが急速に普及しました。

多くの企業がリモートでの業務を許可し、従業員は自宅やカフェなど、多様な場所で働くようになりました。

リモートワークは、通勤時間の削減や柔軟な働き方を可能にすることで、従業員の効率性や生産性を向上させる一因とされています。

自宅や公共のWi-Fiネットワークを利用することが一般的なので、セキュリティが脆弱な環境で企業の機密情報にアクセスするリスクが高まってしまうでしょう。

利便性向上に伴いリスクが増えた

利便性向上に伴い、データやシステムへのアクセスが多様化しています。

リモートワークやモバイルデバイスの普及により、企業はさまざまなデバイスからのアクセスを許可する必要がありますが、これがセキュリティリスクを増大させます。

また、新たな技術やサービスが追加されることで、システム全体の複雑性が増し、脆弱性も増加するでしょう。

特に、古いシステムやソフトウェアが新しい技術と連携する際に、セキュリティホールが生じる可能性があります。

DXにおけるセキュリティリスクや課題

ここでは、DXにおけるセキュリティリスクや課題を4つご紹介します。

標的型攻撃

標的型攻撃は、特定の組織や個人に対して計画的に行われるサイバー攻撃です。

攻撃者は、狙いを定めた対象に対して、情報収集や社会工学的手法を駆使して攻撃を仕掛けます。

この攻撃は、通常のマルウェア攻撃やフィッシング攻撃とは異なり、より高度で巧妙な手法が用いられます。

例えば、マルウェアの配布は、標的に特化したマルウェアを用いてシステムに侵入し、機密情報を盗む手法です。

通常のウイルスとは異なり、特定の目的のために設計されています。

ランサムウェア

ランサムウェアは、悪意のあるマルウェアの一種で、ユーザーのデータを暗号化することでアクセスを阻止し、復旧するための身代金を要求します。

攻撃者は通常、暗号化されたデータの復号キーを提供すると約束しますが、支払った場合でもデータが復元される保証はありません。

ユーザーが悪意のあるサイトを訪れた際に自動的にダウンロードされることがあったり、セキュリティが不十分なリモートデスクトップサービスを通じて侵入されたりするケースがあります。

内部不正による情報漏えい

内部不正は、企業内部の人間による悪意のある行為を指します。

これは、従業員、契約者、または他の関係者が、自らの利益のために企業の機密情報を不正にアクセスしたり、使用したりする行為です。

内部不正は、情報漏えいだけでなく、業務の妨害や財務的損失を引き起こす可能性があります。

特定の従業員が報復や金銭的利益を得るために情報を漏えいさせるケースや、従業員が不注意や誤解から機密情報を誤って共有するケースがあります。

内部のセキュリティポリシーや手続きが不十分な場合、従業員が適切な行動をとらず、結果として情報漏えいにつながることもあるでしょう。

フィッシング詐欺

フィッシング詐欺は、攻撃者が信頼できる機関や個人になりすまし、ユーザーから個人情報やログイン情報を不正に取得する手法です。

主にメール、メッセージアプリ、Webサイトを通じて行われます。

攻撃者は、実際の企業やサービスからの正規のメールに見せかけたメッセージを送信します。

メール内には偽のリンクが含まれており、クリックすると不正なWebサイトに誘導されるケースがほとんどです。

DXに重要なセキュリティの認証規格

ここでは、DXに重要なセキュリティの認証規格について解説します。

ISMS認証

ISMS認証は、情報セキュリティマネジメントシステムに関する国際的な標準規格であり、企業や組織が情報セキュリティを適切に管理し、確保するためのフレームワークを提供します。

特に、デジタルトランスフォーメーション(DX)が進む中で、企業が扱うデータの重要性が増しているため、ISMS認証はますます重要な役割を果たしているでしょう。

ISMS認証の主な目的は、情報セキュリティリスクを管理し、情報資産を保護することです。

ISMS認証を取得することで、顧客や取引先に対して情報セキュリティに真剣に取り組んでいることを示せたり、情報セキュリティに関連する法令や規制を遵守しやすくなったりします。

プライバシーマーク

プライバシーマークは、日本における個人情報保護に関する認証制度で、企業や組織が個人情報を適切に取り扱っていることを示す証明です。

この制度は、個人情報保護法に基づき、個人情報の適切な管理を促進し、利用者や顧客の信頼を獲得することを目的としています。

特に、DXが進む中で、個人情報の保護が重要視されるため、プライバシーマークの取得が企業にとって不可欠となっています。

プライバシーマークの目的は、企業が個人情報を適切に取り扱い漏洩や不正アクセスを防ぐための基準を設けたり、顧客に対して個人情報を安全に管理しているという信頼感を提供したりすることです。

プライバシーマークを取得することで、顧客や取引先に対して個人情報の取り扱いに対する信頼感や、個人情報保護法などの関連法令を遵守するためのフレームワークなどを提供できます。

DXを推進する上でのセキュリティ対策方法

ここでは、DXを推進する上でのセキュリティ対策方法を4つご紹介します。

シングルサインオン

シングルサインオンは、ユーザーが複数のアプリケーションやサービスに対して一度の認証でアクセスできるようにする技術です。

DXが進む中で、企業や組織は多様なクラウドサービスや社内システムを利用するようになり、シングルサインオンはセキュリティ対策の一環として非常に重要な役割を果たしています。

シングルサインオンの主な目的は、ユーザーの利便性を向上させ、同時にセキュリティを強化することです。

複数のアプリケーションにログインする際の手間を省き、ユーザーが一度のログインで必要な全てのサービスにアクセスできるようにし、パスワードの管理やアクセス制御が一元化により、不正アクセスのリスクを軽減できます。

EDR

EDRは、エンドポイントデバイスにおけるセキュリティ対策の一環として、脅威の検出、分析、対応を行うためのソリューションです。

EDRの主な目的は、不正な行動や攻撃の兆候をリアルタイムで検出し迅速に対応できるようにしたり、脅威が検出された際に自動または手動で対応策を講じることができるようにしたりすることです。

脅威をリアルタイムで監視し迅速な対応が可能になったり、従来のウイルス対策ソフトウェアに比べて未知の脅威や高度な攻撃(APT)に対しても対応できたりするメリットがあります。

CASB

CASBは、クラウドサービスへのアクセスを管理し、セキュリティを強化するためのソリューションです。

CASBは、このようなニーズに応える形で、クラウド環境におけるデータ保護やコンプライアンスの確保をサポートします。

CASBの主な目的は、クラウドアプリケーションへのアクセスを制御しデータの漏洩や不正利用を防いだり、クラウドサービスの利用状況を可視化し、どのアプリケーションが使用されているかを把握したりすることです。

ユーザーやデバイス、アプリケーションの利用状況をリアルタイムで把握でき、セキュリティの強化に寄与したり、機密情報を保護するための高度なデータ保護機能を提供し、情報漏洩のリスクを低減したりするメリットがあります。

SIEM

SIEMは、セキュリティ情報およびイベント管理を行うための統合されたソリューションです。

SIEMの主な目的は、IT環境内のセキュリティ関連の情報をリアルタイムで収集し監視したり、収集したデータを分析し不正アクセスやサイバー攻撃の兆候を早期に検出したりすることです。

IT環境全体のセキュリティ情報を一元的に管理し脅威を包括的に把握できたり、リアルタイムでのデータ分析により脅威を早期に発見し迅速な対応が可能になったりと、さまざまなメリットがあります。

まとめ

DXが進展する中、企業はデータのデジタル化やクラウドサービスの利用を加速させていますが、これに伴いセキュリティ対策の重要性も増しています。

デジタルデータの増加や個人情報に関する規制強化、リモートワークの普及は、企業に新たなリスクをもたらしているでしょう。

標的型攻撃やランサムウェア、内部不正、フィッシング詐欺などの脅威が高まる中、ISMS認証やプライバシーマークといった認証規格が求められています。

さらに、シングルサインオン、EDR、CASB、SIEMといった具体的なセキュリティ対策が効果的です。

これらの施策を適切に導入することで、企業は安全にDXを進め、信頼性のあるデジタル環境を構築できます。