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ペネトレーションテストの費用相場は?メリットやデメリットを解説

2024.12.20

ペネトレーションテストは、システムやネットワークにハッカーから攻撃されるリスクがあるかを調査できるものです。

ペネトレーションテストの実施を検討している企業や組織のなかには、どれくらいの費用がかかるか把握しておきたいところがあるでしょう。

本記事では、ペネトレーションテストの費用相場について解説します。

そのほか、テストを実施するメリットやデメリット、依頼できる会社もお伝えするので、システムの安全性を高めたい場合はぜひ参考にしてください

ペネトレーションテストとは?

ペネトレーションテストとは、システムやネットワークのセキュリティを評価するためのテスト手法です。

ハッカーの視点でシステムに対して攻撃を試み、脆弱性を発見することを目的とします。

具体的には、ネットワーク、Webアプリケーション、ソフトウェアなどに対して不正アクセスを試み、その結果として見つかった脆弱性を報告し、修正のための提案を行うのが一般的です。

ペネトレーションテストは、企業や組織のセキュリティ対策の一環として重要な役割を果たしており、実際の攻撃を模擬することでセキュリティの強化を図ります。

脆弱性診断との違い

ペネトレーションテストと脆弱性診断は、どちらもシステムのセキュリティを評価する方法ですが、その目的とアプローチには明確な違いがあります。

ペネトレーションテストは、攻撃者の視点からシステムに対する侵入を試み、脆弱性を悪用して実際にシステムにアクセスすることが目的です。

一方で、脆弱性診断は、システムやアプリケーションに存在する既知の脆弱性を特定することを目的としています。

自動化ツールを使って脆弱性をスキャンし、修正が必要な箇所を報告するのが流れです。

また、ペネトレーションテストは、実際の攻撃者のように、既知および未知の脆弱性を利用してシステムに侵入する手法です。

一方で、脆弱性診断は、主に自動化ツールを使って、システムの設定やコードに関する問題を洗い出すプロセスです。

実際にシステムに侵入したり、データの漏洩を試みたりするペネトレーションテストとは異なり、脆弱性診断では脆弱性のリストと修正方法が報告されますが、実際にその脆弱性を利用した攻撃が行われるわけではありません。

ペネトレーションテストの費用相場

ペネトレーションテストの費用は、提供されるサービスの内容や実施する企業によって大きく異なります。

一般的な相場としては、数十万円から数千万円まで幅があります。

この費用の違いはテストを行う範囲やシナリオによって変動するため、企業の予算や具体的なニーズに合わせた選択が重要です。

無料で利用できるペネトレーションテストも存在しますが、これらは主に個人向けであり、検証される項目が限られているでしょう。

より詳細で本格的なテストを行い、リスクや潜在的な被害を明確に把握したい場合は、有料サービスの利用を検討することが推奨されます。

ペネトレーションテストのメリット

ここでは、ペネトレーションテストのメリットを7つご紹介します。

1. セキュリティホールを可視化できる

ペネトレーションテストは、実際の攻撃シナリオを模してテストを実施することで、防御策がどれほど効果的であるか、そしてどの部分が改善を要するかを具体的に把握することが可能です。

これにより、必要なリソースや対策を最も重要な領域に集中できます。

2. システム環境に合わせたテストができる

ペネトレーションテストを実施する前に、まずシステム環境の詳細な調査が行われます。

これには、システムの構成や使用されているソフトウェアのバージョンなどの確認が含まれ、その情報を基に適切なテストシナリオが作成されるでしょう。

システムに合ったテストを行うことで、脆弱性をより正確に把握できます。

3. 報告書を基にセキュリティ対策を策定できる

ペネトレーションテストによって明らかにされた脆弱性は、企業が具体的で効果的なセキュリティ対策を立案するための重要な手掛かりとなります。

脆弱性が特定されることで、それに対処するための対策を計画・実施し、さらにテストを行うことができ、組織のセキュリティレベルを向上させられるでしょう。

4. 攻撃リスクを減らせる

ペネトレーションテストは、セキュリティインシデントのリスクを大幅に軽減します。

テストで発見された脆弱性に対処することで、攻撃者が利用できるエントリーポイントを減らし、システム全体の安全性を向上させます。

その結果、データ漏洩やその他のセキュリティ違反のリスクを減少させられるでしょう。

5. 事実上の安全性を確保できる

ペネトレーションテストは、実際の攻撃シナリオを再現しつつ、管理された環境内で実施されるため、ビジネスプロセスに支障をきたすことなくシステムの耐性を評価できます。

その結果、実際の攻撃が発生した場合の影響を予測し、事前に適切な対策を講じることが可能になります。

6. コンプライアンス要件を遵守できる

多くの業界では、定期的なペネトレーションテストがコンプライアンスの一環として求められているでしょう。

テストを実施することで、規制の要件を遵守し、関連する罰則やペナルティを回避できます。

また、顧客やパートナーに対して、組織がセキュリティ対策に積極的に取り組んでいることを示せます。

7. 企業イメージや信頼性が向上する

徹底的なセキュリティ対策とペネトレーションテストの実施は、顧客やビジネスパートナーからの信頼を強化できるでしょう。

セキュリティインシデントが発生すれば、企業の評判が大きく損なわれる可能性があるため、予防措置を講じて定期的にテストを行うことがポイントです。

その結果、ステークホルダーの信頼を維持し、企業イメージを守れます。

ペネトレーションテストのデメリット

ここでは、ペネトレーションテストのデメリットを2つご紹介します。

1. コストがかかる

大規模なシステムのテストや、その内容や難易度に応じては、かなりのコストがかかる可能性があるでしょう。

その場合、テストの実施に数日を要するケースもあります。

ペネトレーションテストは、特定の機能や部署、資産に絞って実施するのも可能です。

費用対効果を考慮し、システム全体ではなく、重要なシステム部分のみを対象にテストを行うことが求められる場合もあります。

2. 実施者のスキルによって成果が異なる

ペネトレーションテストを実施するには、高度なセキュリティスキルが必要です。

テストを実施するには、豊富な知識とともに、使用するツールの操作に精通しているのも重要です。

そのため、ペネトレーションテストを行う企業やエンジニアのスキルレベルによって、検出される脆弱性や対応方法が異なる場合があります。

依頼する際には、テストを提供する企業が十分な実績や経験を持っているかを慎重に確認するのが重要です。

ペネトレーションテストを依頼できる会社3選

ここでは、ペネトレーションテストを依頼できる会社を3つご紹介します。

1. シースリーインデックス株式会社

シースリーインデックス株式会社は、ペネトレーションテストのほか、システム受託開発やAWS導入を行っているシステム開発会社です。

顧客ファーストの精神と独立系の姿勢で開発を行っている点が特徴で、さまざまな企業のビジネス課題を解決しています。

ペネトレーションテストでは、結果を基にリスクの場所や深刻度をリスクレベル別に整理したレポートをお届けします。

このレポートを活用してリスクを改善いただいた後、再診断を実施することも可能です。

再診断は、レポート納品日から1か月以内を想定しております。

テスト環境とテストアカウントがあれば、自社システムにおける診断費用の概算見積もりを無料で案内することが可能です。

2. 株式会社ラック

株式会社ラックは、情報セキュリティサービスやシステムインテグレーションサービスを提供する日本の情報通信企業です。

セキュリティ診断やITシステムのコンサルティング、ネットワーク監視、緊急対応、アプリケーション開発、インフラ構築など、幅広い事業を展開しています。

ペネトレーションテストでは、システムに対して擬似的な攻撃を行い、防御策の有効性を検証し、改善点を報告します。

ヒアリングや準備段階から攻撃テスト、データ分析、報告、アフターサポートまでを一貫して実施し、テスト完了までの期間は4か月〜5か月ほどです。

ペネトレーションテストの費用は、実施内容や規模に応じて700万円~3,000万円ほどとなります。

本格的なペネトレーションテストやTLTPの同時実施を希望される方におすすめです。

3. 株式会社AGEST

株式会社AGESTは、ソフトウェアの品質や安全性向上をサポートするQAのプロ集団です。

品質コンサルティングやテストソリューション、システムインテグレーション、サイバーセキュリティなどの事業を展開しており、事業に関連する教育研修事業も手がけています。

ペネトレーションテスト・プラットフォーム「Synack」を提供しており、豊富な人材リソースを活用し、短納期かつ柔軟な侵入テストを依頼できます。

エンジニアの教育から診断作業までを自社内で完結することで、コストの抑制の実現が可能です。

診断レポートでは、脆弱性の状況と具体的な対策方法を詳細に報告します。

ペネトレーションテストの費用は、アプリケーション単位で設定されており、実働時間に関係なく固定価格です。

まとめ

ペネトレーションテストは、システムのセキュリティを実際の攻撃シナリオを基に検証し、脆弱性を特定・可視化する重要な手段です。

これにより、具体的なセキュリティ対策を講じ、リスクを減らし、コンプライアンス要件を満たすことができます。

また、企業の信頼性向上にもつながります。

しかし、コストがかかり、実施者のスキルによってテスト結果が変わるため、依頼先の選定には慎重さが求められるでしょう。