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DDos攻撃の対策方法とは?被害事例やDos攻撃との違いを解説

2025.01.28

DDos攻撃は、特定のネットワークサービスにトラフィックを大量に送り、サービスを停止させる攻撃です。

DDos攻撃を受けると、企業の業績や売上、信頼に悪影響を及ぼす恐れがあります。

本記事では、DDos攻撃とDos攻撃との違いをはじめ、DDos攻撃の種類や被害事例をご紹介します。

記事終盤では、DDos攻撃の対策方法もお伝えするので、システムのセキュリティを高めたい場合はぜひ参考にしてください。

DDos攻撃とは?

DDoS攻撃は、複数のコンピュータやネットワーク機器を使って、特定のWebサイトやネットワークサービスに大量のトラフィックを送りつけ、サービスを停止させる攻撃のことです。

攻撃者は、ボットネットと呼ばれる侵入されたコンピュータ群を利用し、ターゲットに対して過剰なリクエストを送信することで、サーバーやネットワークに負荷をかけ、正常な利用者のアクセスを妨害します。

DDoS攻撃は、ターゲットのサーバーを一時的にダウンさせることが多く、企業にとっては大きな業務停止や経済的損失を引き起こす恐れがあります。

DDos攻撃の目的

DDoS攻撃の主な目的は、ターゲットとなるWebサイトやネットワークサービスを一時的、または永続的に利用できなくすることです。

ターゲットのサーバーやネットワークを過負荷にして、正常な利用者がアクセスできないようにすることで、企業やサービスの運営に支障をきたし、経済的損失を引き起こすでしょう。

競合企業や個人に対して脅しや嫌がらせを行うために、意図的に攻撃を仕掛けるケースがあります。

政治的または社会的な目的で、特定の政府機関、企業、団体などに対して抗議や声明を示すためにDDoS攻撃が行われるケースも挙げられます。

DDoS攻撃の目的はさまざまであり、個人や企業、社会全体に対して多様な影響を及ぼすので注意が必要です。

Dos攻撃との違い

DDoS攻撃とDoS攻撃は、どちらもターゲットに過剰なリクエストを送ることによってサービスを停止させる攻撃ですが、主な違いは攻撃を仕掛ける方法と規模にあります。

DoS攻撃は、1台のコンピュータやサーバーからターゲットに対して攻撃を行うので、攻撃の規模や影響は比較的小さく、容易に特定される可能性があります。

単一の攻撃元から行われるため、規模が限定的であり、ターゲット側の防御が適切であれば、比較的簡単に防御可能です。

一方で、DDoS攻撃は、複数のコンピュータから同時に攻撃を仕掛け、攻撃の規模は大きくなり、追跡や防御が難しくなります。

複数の攻撃元から分散して行われるため、攻撃の規模が非常に大きくなり、複数の異なる手段で同時に攻撃されてしまいます。

まとめると、DoS攻撃は単一の攻撃元からの攻撃であるのに対し、DDoS攻撃は複数の攻撃元からの攻撃です。

そのため、DDoS攻撃の方が規模が大きく、検出や防御が難しいという違いがあります。

DDos攻撃の種類

ここでは、DDos攻撃の種類を6つご紹介します。

1. SYNフラッド攻撃

SYNフラッド攻撃は、TCP接続を確立する際に使用されるSYNパケットを大量に送信し、ターゲットのサーバーにリソースを使わせ、正常な接続要求を処理できなくさせる攻撃です。

攻撃者はターゲットサーバーにSYNパケットを送信しますが、応答のACKパケットを送信せず、接続を完了させません。

これにより、ターゲットのサーバーは接続待機状態に入り、接続リソースを消費し続け、サービスが停止する可能性があります。

2. FINフラッド攻撃

FINフラッド攻撃は、TCP接続の終了に使われるFINパケットを大量に送信し、ターゲットシステムを過負荷にする攻撃です。

攻撃者はターゲットに対してTCPの「FIN」パケットを送信して接続を終了しようとします。

ターゲットサーバーは、これらの不正な「FIN」パケットに対してリソースを消費し、誤った接続終了処理を繰り返します。

3. UDPフラッド攻撃

UDPフラッド攻撃は、UDPプロトコルを使用してターゲットに大量のデータを送信し、ネットワーク帯域やターゲットのサーバーを圧迫する攻撃です。

攻撃者はターゲットに対して大量のUDPパケットを送信し、ターゲットは応答しなければならず、これによりサーバーやネットワークが過負荷になります。

UDPはコネクションレスであるため、応答しない攻撃でも通信を強制的に発生させられます。

4. ACKフラッド攻撃

ACKフラッド攻撃は、TCPプロトコルのACKパケットを大量に送信して、ターゲットのサーバーの処理能力を低下させる攻撃です。

攻撃者はターゲットに対して大量のACKパケットを送り、ターゲットはこれらのパケットに対して接続の確認作業を行うため、リソースを消費します。

これにより、ターゲットサーバーが過負荷になり、正常な通信ができなくなります。

5. DNSフラッド攻撃

DNSフラッド攻撃は、DNSサーバーに対して大量のDNSリクエストを送り、サーバーを過負荷にして、サービスを利用できなくさせる攻撃です。

攻撃者はターゲットのDNSサーバーに対して、正当なDNSリクエストに似せた大量のリクエストを送信します。

この攻撃によって、DNSサーバーが過負荷になり、他のユーザーがドメイン名を解決できなくなるケースがあります。

6. Slow HTTP DoS Attack

Slow HTTP DoS攻撃は、HTTPプロトコルの接続を意図的に遅延させ、ターゲットサーバーがリクエストを処理するのに必要な時間を延ばすことで、リソースを消耗させる攻撃です。

 攻撃者は、HTTPリクエストのヘッダーやボディを非常に遅く送信して、サーバーがリクエストを処理するのに時間をかけさせ、ターゲットのリソースを消費させます。

その結果、サーバーが新しいリクエストを処理できなくなり、サービスが遅延または停止します。

DDos攻撃の被害事例

ここでは、DDos攻撃の被害事例を4つご紹介します。

1. サーバーがダウンする

DDos攻撃によりサーバーダウンした事例は、さまざまな業界で起こる恐れがあるでしょう。

例えば、オンラインゲームにおいて、プレイヤーが一斉にサーバーに接続すると、サーバーの負荷が高まります。

DDoS攻撃者は、ゲームサーバーに対して大量のトラフィックを送り、意図的にサーバーを過負荷にしてダウンさせるケースがあります。

その結果、ゲームのプレイヤーがゲームをプレイできなくなり、サービスのダウン時間中にゲームの進行が止まり、ユーザーからの不満が高まり、信頼性の低下につながるでしょう。

また、eコマースサイトは、セールやキャンペーン期間中に高いトラフィックが予想されます。

DDoS攻撃者はこのタイミングを狙って、サイトに大量のリクエストを送り、サイトが正常に稼働できなくなるようにするでしょう。

その結果、サイトのダウンにより、顧客が購入できなくなり、売上の機会を失います。

特に、ビジネスの重要な時期に攻撃を受けると、経済的な損失が甚大になります。

2. 金銭的な損失を受ける

DDoS攻撃によりサービスの停止が長引いたり、ブランドの信用が低下したりすると、直接的・間接的な経済的損失が発生するでしょう。

例えば、eコマースサイトは24時間営業し多くの顧客がオンラインで購入を行いますが、DDoS攻撃によりサイトがダウンすると、顧客は購入手続きができなくなり売上が発生しなくなります。

攻撃によって数時間または数日間サービスが利用できない場合、売上が大幅に減少します。

また、攻撃後に再開するまでの顧客離れや、ブランドイメージの低下も金銭的な損失を引き起こすでしょう。

また、銀行や証券会社などの金融機関は、DDoS攻撃によってオンラインバンキングや取引システムがダウンするケースがあります。

取引停止により、株式の価格変動に対応できなかったり、顧客が急いで資金移動を行えなかったりと、直接的な金融損失が発生するケースがあります。

顧客からの信頼を失うと、今後の取引や新規口座の開設に影響が出るでしょう。

3. 社会的信頼を失う

DDoS攻撃を受けた場合、サービスが一時的に停止して、顧客や取引先、さらには一般の社会に対する信頼が損なわれるケースがあります。

オンラインショップやeコマースサイトがDDoS攻撃を受け、サイトが長時間ダウンした場合、顧客は不安や不信感を抱きます。

特に、支払い手続きが完了できない、商品が購入できないなどの事態が発生すると、顧客は他の競合サイトに流れ、ブランドへの信頼が失われてしまうでしょう。

信頼を失うことで、リピーターの減少や悪評の拡大により、次回以降の利用を避ける顧客が増え、長期的に見るとブランドの価値が低下し競争力を失う恐れがあります。

また、金融機関や銀行がDDoS攻撃を受け、オンラインバンキングやATMサービスが停止すると、顧客は資産へのアクセスを失います。

顧客からの信頼が失われると、他の銀行や金融機関への乗り換えが進み、長期的に顧客基盤が減少してしまうでしょう。

顧客の不満がメディアに取り上げられると、社会全体でその銀行の信用が失われ、企業のイメージや社会的評価に深刻なダメージを与えます。

4. 個人情報が漏洩する

DDoS攻撃自体は通常、サービスをダウンさせることが目的ですが、場合によっては攻撃の影響で個人情報の漏洩を引き起こすケースがあります。

DDoS攻撃が行われる際に、攻撃者は多くのリクエストを送りつけてターゲットサーバーをダウンさせますが、この攻撃がデータセンターやネットワークインフラに過負荷をかけるケースがあるでしょう。

セキュリティの隙間を突かれて、攻撃者が個人情報の保存されているデータベースにアクセスし、情報を盗むことが可能となる場合があります。

特に、個人情報が悪用されると、被害者は詐欺やなりすまし、アイデンティティの盗用に直面する恐れがあるでしょう。

また、DDoS攻撃はしばしば、他の攻撃の隠れ蓑として利用されるケースがあります。

DDoS攻撃によってシステムの注意が引きつけられている間に、攻撃者は不正アクセスや情報の盗み取りを行います。

DDos攻撃の対策

ここでは、DDos攻撃の対策を4つご紹介します。

1. IPアドレスを制限する

DDoS攻撃では、攻撃者が大量のリクエストを送りつけるため、攻撃元のIPアドレスを特定し、攻撃トラフィックを遮断することで、サーバーのリソースの保護が可能です。

攻撃元が特定できた場合、IPアドレスをブロックすることで即座に攻撃を軽減できます。

この方法は比較的簡単に実行でき、効果的な防御手段となります。

また、攻撃元のIPアドレスが明確である場合、アクセス元をブロックすると、攻撃を特定の範囲に限定し、被害を最小限に抑えられるでしょう。

ネットワークファイアウォールやロードバランサーにおいて、IPアドレス制限は比較的簡単に実装できるため、即効性のある対策として利用されます。

2. 海外や特定の国からのアクセスを制限する

DDoS攻撃は特定の国や地域から行われるケースが多いため、その国や地域からのアクセスを制限すると、攻撃を早期に遮断することが可能です。

特に、攻撃の発生源が予測できる場合には非常に効果的です。

特定の国や地域からの不正アクセスを制限すると、サーバーやネットワーク機器のリソースを節約し、正当なユーザーへのサービス提供に集中できます。

攻撃によるリソースの無駄遣いの防止にもつながります。

特に、攻撃が多く発生している国や地域からのアクセスを制限すると、セキュリティのレベルを高められるでしょう。

攻撃のリスクを最小限に抑え、企業のシステムを守ることができます。

3. CDNを導入する

CDNは、コンテンツを複数の分散したサーバーに保存し、ユーザーがアクセスする際に最も近いサーバーからコンテンツを配信する仕組みです。

Webサイトやアプリケーションの読み込み速度が向上し、ユーザーエクスペリエンスの向上につながります。

CDNの分散型アーキテクチャにより、サービスが高い可用性を持つようになります。

DDoS攻撃が発生しても、サービスの中断やダウンタイムを最小限に抑えることが可能です。

DDoS攻撃では大量のトラフィックがサーバーに送信されますが、CDNを利用するとそのトラフィックを効率的に分散させ、サーバーが一時的に処理能力を超えてしまうリスクを減らせます。

攻撃時にも安定したサービス提供が可能となるでしょう。

4. DDoS攻撃対策ツールを導入する

DDoS攻撃対策ツールは、DDoS攻撃からインターネット上のシステムやサービスを守るためのソフトウェアやハードウェアの製品です。

これらのツールは、トラフィックを監視し、異常を検出して攻撃を防ぐためのさまざまな手法を提供します。

具体的な機能としては、トラフィックフィルタリング、異常トラフィックの検出、攻撃元のブロック、リソースのスケーリング、攻撃の緩和などが挙げられます。

DDoS攻撃対策ツールは、単に攻撃から保護するだけでなく、全体的なセキュリティの向上にも寄与するでしょう。

ツールによっては、DDoS攻撃以外のセキュリティ問題にも対応する機能が含まれているため、全体的なセキュリティ対策の強化が期待できます。

まとめ

DDoS攻撃は、複数のコンピュータを使ってターゲットサーバーに過剰なトラフィックを送り、サービスを停止させる攻撃です。

これにより、サーバーがダウンしたり、金銭的損失や社会的信頼の低下、個人情報漏洩のリスクも生じます。

対策としては、IP制限、特定国からのアクセス制限、CDN導入、DDoS攻撃対策ツールの使用が効果的です。

企業はこれらの対策を講じることで、DDoS攻撃からシステムを守り、サービスの安定性を保てるでしょう。